東京都庁の公務員試験において、面接は筆記以上に合否を左右する重要な関門です。
その中でも特に多くの受験者が戸惑うのが、
という質問。
誰もが準備はするものの、いざ質問されると曖昧な答えになってしまいがちです。
実はこの質問、ただ「区民のために頑張りたい」「東京の未来のために働きたい」と言えばいいわけではありません。
東京都という自治体の特性、都庁の役割を理解した上で、自分の経験や志望動機を論理的に結びつけることが求められます。
この記事では、東京都庁の面接でこの質問が出る理由を分析し、答える際に意識すべき「広域性と調整力」「公平性・中立性」「民間が担えない領域」「未来を支える長期計画」の4つの視点を丁寧に解説。
そして実際に使える模範回答3例、さらに掘り下げ質問、
への切り返し方までまとめました。
最後に、東京都庁採用試験に悩む方に向けた面接対策noteもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
もくじ
「4つの視点」と経験・志望動機を絡める重要性
東京都庁の仕事は、全国の自治体の中でも圧倒的に広域性・多様性・専門性の高さが求められます。
これを踏まえた志望動機や「やりたい仕事」の答え方を考える際、以下の4つの視点を意識することが極めて重要です。
◆広域性と調整力
東京都は、23区・26市・5町・8村・離島まで含む巨大自治体です。
そのため、都市インフラ、防災、医療、教育、観光など、多様な行政課題を区市町村や関係機関、民間企業と連携・調整しながら進める力が求められます。
自分の経験の中で「複数の立場をまとめる場面」や「調整の難しさを実感した経験」を語ると説得力が出ます。
◆公平性・中立性
東京都庁職員は、約1400万人の都民すべてにとって公平で、中立的な立場から政策を行う存在。
企業利益や偏った利害関係にとらわれず、困っている人を支え、地域格差を是正することが求められます。
例えば、大学時代のボランティアや地域活動などで、社会的弱者支援や格差を感じた経験を志望動機に絡めると、志望理由に深みが出ます。
◆民間が担えない領域
都市開発、防災、医療体制整備、福祉サービス、災害対応など、採算や短期利益を超え、都民の安心・安全・福祉の向上を目指す領域は民間には難しい部分。
自分がなぜ公務員、それも東京都庁でしかできない仕事に魅力を感じたのか、実体験をもとに語れると面接官に刺さります。
◆未来を支える長期計画
東京都は、人口減少・高齢化・防災・再開発・観光振興・カーボンニュートラルなど、10年20年先を見据えた長期計画が求められる自治体。
自身がどんな東京の未来を思い描き、それにどう貢献したいか、具体的に描けると好印象です。
将来像と自分の役割意識を明確にしましょう。
これらの視点と、自分の経験や志望動機をしっかり絡めて答えることで、他の受験者と差をつけることができます。
東京都庁の職員としてやりたい仕事は何ですか？：質問の意図
この質問の意図は大きく3つです。
①：志望理由の具体性と熱意を確認するため
単なる「安定志向」ではなく、
「なぜ東京都庁なのか」
「どんな課題に挑み、何を実現したいのか」
という具体性と熱意を知るため。
②：東京都庁の役割と特性への理解度を確認するため
区役所・市役所とは違い、広域行政・調整機能・国家レベルの大規模施策を担う東京都庁の特徴を理解しているかを見ている。
③：将来職員として活躍するビジョンを確認するため
自分の経験やスキルをどう活かし、将来どんな職員になりたいか。主体性と展望を持つ人材かどうかを測るためです。
東京都庁でやりたい仕事の模範回答例
①：防災・減災の広域対策
私は東京都の防災・減災対策に取り組みたいと考えています。
大学時代、台風被害のボランティアに参加した際、自治体ごとに避難情報の伝達や避難所環境の格差があり、広域調整の必要性を痛感しました。
東京都庁職員として、区市町村と連携しながら、防災計画の策定・避難所環境の整備、災害情報の一元化を進め、都民の安心・安全を支える体制を築きたいです。
②：都市インフラの再構築
私は東京都の都市インフラ再構築事業に携わりたいです。
学生時代、都市計画を学ぶ中で、人口集中・老朽化インフラの課題に関心を持ち、現地調査や自治体ヒアリングも経験しました。
東京都庁職員として、地下空間の活用や交通網の再整備、大規模再開発に取り組み、世界一の防災力と快適性を兼ね備えた都市づくりに貢献したいと考えています。
③：子育て・福祉政策の充実
私は子育て世代と高齢者が安心して暮らせる東京を実現したいです。
家族の介護と友人の子育て支援に関わる中で、都市部の孤独や支援格差を痛感しました。
東京都庁職員として、保育施設・介護施設の拡充、地域包括支援センターとの連携強化を進め、世代を超えて支え合うまちづくりを推進したいです。
「民間企業ではダメなのですか？」への切り返し方
「民間企業でもやりたい仕事はできますよね？」と問われた際は、次のように返すと効果的です。
確かに民間企業でも、防災や都市開発、福祉事業に取り組むことはできます。
しかし、採算性や短期利益を超え、すべての都民の利益のために公平で持続的な施策を実施し、災害時には迅速に広域対応できるのは東京都庁の役割です。
私は自分の経験を活かして、そのような責任ある立場で東京都全体の課題解決に貢献したいと考え、公務員を志望しました。
このように、行政職の特性や自分の志向を踏まえて回答することで、面接官に納得感を与えることができます。
まとめ：東京都庁の職員としてやりたい仕事
もしこの記事を読んで、
「自分の答え方が抽象的だった」
「東京都庁の役割や面接官の意図を理解しきれていなかった」
と感じた方も多いのではないでしょうか？
だけど心配に感じる必要は一切なく、
この記事で紹介したポイントを参考に、自分自身の経験や思いを整理し、説得力のある回答を準備しましょう。
📌あなたがなぜ東京都庁を選んだのか
📌どのような課題を解決したいのか
📌なぜ民間ではなく公務員なのか
この3点を自分の言葉で、かつ社会的責務・公平性・民間が担えない領域・未来を支える長期計画という公務員らしい視点を入れて語ることが求められます。
もしこの記事を読んで、
「自分の回答はこれでいいのか不安だ」
「もっと面接官の心を動かせる回答を作りたい」
と感じたなら、ぜひ以下で紹介する『【公務員試験の面接対策】定番の質問と、そのまま使えるパーフェクトな回答例はこれだ！』をチェックしてみてください。
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