大学生の多くが憧れる公務員という職業。
安定した雇用、手厚い福利厚生、社会的な信頼といったメリットがありますが、その競争率の高さは厳しいものがあります。
特に、大学生が公務員試験に挑む際にまず直面する疑問が、
ということです。
公務員試験は多岐にわたる知識とスキルが求められ、範囲も広いため、しっかりとした準備が必要です。
多くの大学生は、授業やアルバイト、サークル活動などで忙しく、勉強時間を確保するのが難しいと感じるかもしれませんが、適切な計画と早めの準備で無理なく合格を目指すことができます。
というわけで、
本文では、
- 公務員試験に合格するために必要な勉強時間
- その時間を確保するためにいつから勉強を始めるべきか
について具体的に解説します。
目標達成のためには、どれくらいの時間を投資すべきなのかを明確にすることで、効率的な勉強計画が立てられるようになります。
もくじ
合格に必要な勉強時間とは?
公務員試験は、受験する試験種や受験する自治体によって求められる内容や難易度が異なりますが、一般的には以下のように分類されます。
国家公務員総合職:難易度が高く、かなりの勉強量が求められます。1,500時間から2,000時間ほどの勉強時間が必要とされています。
国家公務員一般職:総合職よりは難易度が低いですが、それでも900時間から1,200時間程度の勉強時間が目安です。
地方公務員上級職:地方自治体の上級試験(地方公務員Ⅰ種)も難易度が高く、1,200時間から1,800時間程度の勉強が必要です。
地方公務員中級・初級職:初級や中級の試験の場合、500時間から1,000時間程度が目安です。
これらの時間はあくまで目安であり、個々の学力や過去の学習経験によって前後します。
文系出身の学生は法律や経済に関する知識がある程度あるため有利な部分もありますが、理系の学生にとっても、数的推理や理系科目の問題において優位に立てることがあります。
また、専門科目の知識を持っているかどうかも、勉強時間の見積もりに影響します。
例えば、経済学部や法学部の学生であれば、基礎知識があるため、他の分野に比べて短縮できる部分もあるでしょう。
一方で、まったく知識のない分野に挑む場合には、時間がより多く必要です。
効率的に勉強時間を確保するための具体的なアドバイス
公務員試験に合格するために必要な勉強時間がわかったところで、次に重要なのはその時間をどうやって確保するかです。
学生生活には多くの時間的制約がありますが、早めに準備を始め、計画的に取り組むことで無理なく合格を目指せます。
では、具体的にいつから勉強を始めるべきか、どのように勉強時間を確保すればよいのかを見ていきましょう。
大学3年生の夏から勉強をスタートするのが理想的
公務員試験の対策は、約1年前から始めるのが理想です。
つまり、大学3年生の夏頃から本格的にスタートすることをお勧めします。
この時期にスタートすることで、試験までに十分な時間を確保しながら、無理なく計画的に進められます。
勉強時間の目安としては、以下のように考えると良いでしょう。
大学3年生の夏~秋(約5ヶ月):基礎固めの時期。1日2時間程度、週に14時間を目標に勉強を進めます。この段階では、主要な科目や数的推理、文章理解など、基礎力を養うことを中心に行います。
大学3年生の冬~大学生4年生の春(約3ヶ月):本格的な試験対策期。1日3時間、週に21時間程度の勉強時間を確保しましょう。模試や過去問演習を取り入れ、実践的な勉強を行う時期です。特に、自分の弱点を見つけ、それを克服することに力を入れる必要があります。
大学4年生の春~試験直前:この時期は、直前対策として総復習を行いながら、苦手分野の克服と試験問題への慣れを目指します。模試や実際の試験問題に取り組みながら、試験本番を意識した勉強を行いましょう。
日常生活での勉強時間の捻出方法
公務員試験対策を行うためには、日常生活の中で時間を効率的に使うことが求められます。
学生生活の中で勉強時間を確保するための具体的な方法を紹介します。
授業の空き時間を活用する:大学生活では、授業と授業の間に空き時間があることが多いです。この時間を有効活用して、勉強する習慣をつけましょう。例えば、図書館で1時間だけ集中して数的推理や文章理解の問題を解く、予習・復習を行うといった方法が効果的です。
朝型の生活にシフトする:公務員試験の対策は長丁場です。毎日少しずつでも継続することが合格への近道です。特に、朝早く起きて1~2時間勉強する習慣をつけると、1日のスケジュールを圧迫せず、効率的に勉強を進められます。
スマートフォンやSNSの利用を制限する:SNSやスマートフォンは、ついつい時間を浪費してしまう原因です。勉強中はスマートフォンを机から遠ざけ、集中力を高めることが重要です。専用のアプリを使って、一定の時間スマホを使えないようにするなど、自分にルールを課すことも効果的です。
アルバイトやサークル活動のバランスを取る:アルバイトやサークル活動も学生生活の大切な部分ですが、試験勉強を優先する期間に入ったら、その時間を減らすことも検討しましょう。特に、試験直前の3~4ヶ月は、勉強に集中するためにこれらの活動を一時的に控えることが大切です。
合格するための勉強計画の立て方
合格するためには、勉強計画を立て、その計画に従って日々取り組むことが不可欠です。
では、どのように計画を立てれば効果的なのでしょうか?
①:年間計画の立案
まずは、試験までの1年間の全体計画を立てましょう。
大まかな流れとしては、以下のように区分することが考えられます。
基礎固め期間(最初の6ヶ月):この時期は、試験の科目の全体像を把握し、基礎知識をしっかりと学びます。ここでは、各科目のテキストや参考書を読み込み、理解を深めることに重点を置きましょう。具体的には、数的処理、文章理解、憲法、民法、経済学といった科目を日ごとに分けて学習します。
実践力向上期間(次の3ヶ月):基礎固めが終わったら、次に実践的な演習に力を入れます。この時期は、過去問や模試を活用して、問題の解き方や出題傾向を把握することが重要です。時間を測りながら解くことで、試験本番に向けたタイムマネジメントの練習も行いましょう。また、問題を解いた後は必ず解説を読み込み、理解を深めることが大切です。
直前対策期間(最後の1〜2ヶ月):試験直前の1〜2ヶ月間は、弱点克服と総復習に集中します。この時期は、新しい知識を詰め込むよりも、これまでに学んだ内容を定着させることが目的です。特に、これまで解けなかった問題や苦手な分野を重点的に復習しましょう。加えて、実際の試験に備えて模擬試験を積極的に受け、実戦感覚を養うことも欠かせません。
②:月間・週間計画の立案
年間計画ができたら、次に月間と週間の計画を立てていきます。
例えば、1ヶ月ごとに特定の科目に焦点を当て、その科目に関する基礎的な内容を習得することを目標にしましょう。
週単位の計画では、日々のスケジュールに合わせて1日ごとの勉強内容を決めます。
月間計画例:7月は数的処理と文章理解に集中し、8月は法律科目(憲法、民法)を学習する。9月は経済学に取り組む。
週間計画例:月曜日は数的処理、火曜日は文章理解、水曜日は経済学といったように、1日ごとにテーマを分けると効率的です。各科目を2~3時間ずつ確保し、平日に学習できなかった分は土日に補完します。
また、勉強の進捗を見直し、計画を調整することも重要です。
計画通りに進まなかった場合は、次週以降のスケジュールに変更を加え、無理のないペースで進められるようにしましょう。
③:模試や過去問演習の活用
公務員試験において、過去問演習は非常に重要な勉強法です。
過去の出題傾向を把握することで、自分の弱点を見つけることができるだけでなく、試験本番に近い環境で練習を積むことができます。
特に、模試は本番を想定した実力チェックの場となるため、積極的に活用しましょう。
模試を受けた後は、結果を分析し、どの分野が得点できていないかを把握します。
そのうえで、その分野に対して重点的に取り組むことで、効率的に弱点を克服できます。
実際の合格者の体験談
では、実際に公務員試験に合格した学生は、どのようにして勉強時間を確保し、試験に挑んだのでしょうか。いくつかの体験談を紹介します。
「大学3年生の夏から本格的に勉強を始めました。最初は数的処理や文章理解に苦労しましたが、基礎固めの時期にしっかり勉強したおかげで、徐々に解けるようになりました。4年生になると、模試をたくさん受けて実践力を磨きました。最終的には、1日3~4時間ほど勉強するペースを保ち、無事に合格できました」(国家公務員一般職合格者・22歳)
「私の場合は、法律系の知識が全くなかったので、3年生の春から少しずつ勉強を始めました。1年かけて基礎知識を身につけ、4年生の春からは過去問演習に力を入れました。最終的には、大学の授業と並行しながら1,000時間ほど勉強しましたが、時間をかけた分、試験本番でも自信を持って臨むことができました」(地方公務員上級職合格者・23歳)
これらの体験談からわかるように、勉強時間をしっかり確保し、計画的に取り組むことが合格への鍵となります。
まとめ:どれくらいの勉強時間が必要?
公務員試験に合格するためには、平均して900時間から1,500時間程度の勉強時間が必要です。
試験の種類や難易度、個々の学力によって異なりますが、少なくとも1年前から準備を始め、計画的に勉強を進めることが成功への近道です。
大学3年生の秋から勉強をスタートし、基礎固め、実践力向上、直前対策といった段階的な学習を進めていけば、無理なく勉強時間を確保できます。
また、模試や過去問演習を積極的に活用することで、試験本番に向けた実力をしっかりと身につけることができます。
一歩一歩計画的に進めることで、公務員試験の合格は確実に手の届く目標となるでしょう。
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