本文では、
- 福岡県庁:集団討論の傾向
- 福岡県庁:集団討論の過去問
- 福岡県庁の採用試験に合格する対策法
について解説しています。
公務員試験の勉強をしていると、集団討論の対策に悩むタイミングがあるかと思います。
という方もいるのではないでしょうか。
というわけで、この記事では多くの受験生が苦手にしている集団討論の傾向と対策について解説します。
これまで受験した公務員試験にすべて合格した経歴のある私が実際に行っていた対策なので、割と参考になると思います。
福岡県庁:集団討論の傾向
福岡県庁の集団討論は一部の試験区分で実施されます。
集団討論の流れ
試験の流れは以下の通りです。
- 人数分け
試験会場ではまず始めにグループ分けが行われます。(1グループは6~8人)
他の自治体同様、福岡県庁も6~8人くらいで行われるためスタンダードな形態と言えますね。 - 試験の説明
受験生同士で集団討論型の試験が行われます。
試験の説明が担当者からされて、試験開始時刻になると討論スタートです。 - 試験(討論)
3人の面接官が見守る中、集団討論をします。
まず始めに5分ほど一人で考える時間が与えられ、その後40~50分程度集団討論を行います。
集団討論では、
- 司会者を決める
- 討論の際は他の受験生を番号で呼び合う
- 発言するときは自分の番号を言ってから行う
上記のルールがあります。
聞かれる内容としては、与えられたテーマに対する自分の意見はもちろんのこと、「他の受験生の意見に対してどう思うか?」なども聞かれます。
なので、緊張しているからといって他の受験生の発言をしっかりと聞いていないと質問に答えられないという事になりますので、常に他者の発言には耳を傾けておきましょう。
福岡県庁:集団討論の過去問
過去に出題された集団討論のテーマ
年度 | 過去のテーマ |
2023年度 | 【課題1】
近年、人工知能(AI)の中でも生成AIと呼ばれる技術が注目されています。生成AIとは、画像や音楽、文章などさまざまなデータを学習し、新しいコンテンツを生成することのできるAIです。通常のAIは与えられたデータを分類したり分析・推論したりすることを得意としていますが、生成AIは与えられたデータから新しいものを作り出すこともできるため、よりクリエイティブな領域での利活用が期待されています。このため、生成AIは有効に活用すれば、業務の効率化や生産性の向上、県民サービスの向上につながる可能性があります。 そこで、生成AIを活用することによる課題や問題点を踏まえた上で、行政事務の効率化や県民へのサービス向上のためにどのような活用方法が考えられるかグループで話し合い、一定の結論をまとめなさい。 【課題2】 人口減少社会を迎え、これまで地域を支えてきた近所の助け合いやコミュニティの連携が綻びつつある現代においては、互いに助け合う持続可能な共助の仕組みの再構築に向けた動きが求められています。 シェアリングエコノミーは、社会全体のデジタル化を背景として、使われていない資産をインターネット等のネットワークを活用して、必要な人に提供・共有することで新たな価値を生み出す新しい経済の動きです。提供・共有する資産は、建物、場所、乗り物などの有形資産だけではなく、子育て、観光案内、農業体験などの無形のスキルも含まれ、既にある地域資源を有効活用して、地域の課題解決や地域活性化を図る取組として大きく注目されています。 そこで、「防災(※)」の分野における、具体的地域課題及び要因を考察したうえで、どのような資源を、どのような手法・仕組みで活用すれば、その課題の解決が促進できるか、活用する際の注意点も踏まえ、グループで話し合い、一定の結論をまとめなさい。 (※)ここで示す防災分野とは、災害を未然に防止し、また、災害が発生した場合における被害の拡大を防ぎ、災害の復旧を図ることをいう。 【職務経験者(行政DX)】 現在、県内の多くの市町村が、デジタル化を検討するための人的リソースが足りないことや内部のデジタル人材の育成を行える人材がいない、外部人材が見つからないといった課題を抱えており、このままでは、行政のデジタル化や地域社会のデジタル化の検討が滞る恐れがあります。 そこで、このような市町村に対して、県として、どのような支援が考えられるか、グループで話し合い、一定の結論をまとめなさい。 |
2022年度 | 【課題1】
誰もが人権を尊重され、社会のあらゆる分野で自分に合った生き方を選択し、個人として持つ能力を発揮することができるジェンダー平等・男女共同参画社会の実現は、活力ある地域社会を築くために重要です。 福岡県では、「福岡県男女共同参画推進条例」に基づき、福岡県男女共同参画計画を策定し、計画的、総合的に施策を進めていますが、働く場や家庭・地域等様々な場面で男女間の格差が依然として存在しています。 そこで、ジェンダー平等・男女共同参画社会の実現に向けて、現状における課題や問題点を踏まえた上で、行政としてどのような取組が必要か、グループで話し合い、一定の結論をまとめなさい。 【課題2】 近年、「8050問題」と呼ばれる、ひきこもり状態の50代の子を80代の親が養っているような世帯が抱える問題が顕在化しており、経済難からくる生活の困窮や当事者の社会的孤立、病気や介護などによって親子共倒れになるリスクが指摘されています。 この背景には、ひきこもり状態にある人の高齢化や長期化があり、内閣府が平成30年に行った調査では、自宅に半年以上閉じこもっているひきこもり状態にある40~64歳が、全国で61万3千人いると推計されています。 この「8050問題」を解決するために、行政としてどのような取組が必要か、グループで話し合い、一定の結論をまとめなさい。 【行政DX】 国は、「デジタル社会の実現に向けた改革の基本方針」において、デジタル社会の目指すビジョンとして「デジタルの活用により、一人ひとりのニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会」を掲げており、このような社会を目指すことは、「誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化」を進めることに繋がるものとしています。 本県も、昨年度、「福岡県DX戦略」を策定し、誰もがデジタル化の恩恵を受け、快適かつ安全な生活を送ることができる社会を目指すこととしています。そこで、福岡県のDXを推進し、目指すべき社会を実現するために、県としてどのように取り組んでいくべきか、グループで話し合い、一定の結論をまとめなさい。 |
2021年度 | 【課題1】
新型コロナウイルス感染症への対応をきっかけに、給付金申請時等における行政のオンライン手続の不具合や学校のオンライン教育に必要な基盤やノウハウの不足、テレワークを進めるうえで押印手続等がその支障となるなど、あらゆる分野でデジタル化への課題が浮き彫りとなりました。 このような中、政府は、デジタル技術の活用により、一人ひとりのニーズに合ったサービスを選ぶことができる社会の構築、誰一人取り残さない人に優しいデジタル化を進めることを基本方針に掲げ、令和3年5月、デジタル改革関連法を成立させ、9月にデジタル庁が発足しています。 そこで、一人ひとりのニーズに合うサービスを提供するため、どのようなことがデジタル化されると良いか、また誰一人取り残さないために、どのような配慮が必要か、グループで話し合い、一定の結論をまとめなさい。 【課題2】 「2019年国民生活基礎調査(厚生労働省)」によると、2018年(平成30年)時点における日本の子どもの貧困率は13.5%ですが、その後、新型コロナウイルスの影響により保護者が経済的に困窮し、厳しい状況に置かれている子どもがさらに増加しているおそれもあります。 福岡県は、第2期子どもの貧困対策推進計画(令和3年度~7年度)において、すべての子どもたちが生まれ育った環境に左右されず、本人の意欲と適性に応じて、教育を受け、職業に就くことで、地域社会を支える一員として活躍できることを基本目標に掲げていますが、この目標を達成するため、具体的にどのような取組を推進していくべきか、グループで話し合い、一定の結論をまとめなさい。 |
2020年度 | 福岡県には、いちごの「あまおう」をはじめ「元気つくし」などのお米、「福岡有明のり」など、多くの県産ブランドの農林水産物や加工品があります。そこで、県産の農林水産物や加工品について、それらの販路を拡大していくために、新型コロナウイルス感染症の影響により食品流通に変化が生じていることも踏まえ、福岡県としてどのような取組を行うべきか、グループで話し合い、一定の結論を出しなさい。 |
2019年度 | 誰もがワーク・ライフ・バランスのとれた働き方ができる社会を実現することは、国民一人ひとりが意欲を持って働きながら豊かさを実感して暮らせるようにする観点から、また社会経済の長期的安定を実現する観点から重要なことです。2019年4月には、労働者の長時間労働をなくし、年次有給休暇を取得しやすくする等により、個々の事情にあった多様なワーク・ライフ・バランスの実現を目指すとして、労働時間に関する制度の見直しが行われました。そこで、ワーク・ライフ・バランスの実現に向けて、今後、事業者が取り組むべきこと、また福岡県が行政として取り組むべきことについて、グループで話し合い、一定の結論をまとめなさい。 |
2018年度 | 「イクボス」とは、職場で共に働く部下・スタッフのワークライフバランス(仕事と生活の両立)を考え、その人のキャリアと人生を応援しながら、組織の業績も出しつつ、自らも仕事と私生活を楽しむことができる上司(男女を問わず経営者・管理職)のことを指します。そこで、あなたの考える理想のイクボス像について考察するとともに、そうなる上で想定される課題とその解決方法とはどのようなものか、グループで話し合い、一定の結論をまとめなさい。 |
2017年度 | 近年、平成29年7月九州北部豪雨をはじめ、各地で想定を超えた自然災害が相次いでいます。災害時には「自助」、「共助」、「公助」が互いに連携し、被害を最小限に止めることが大切であり、中でも、「自助」、すなわち「自分の命は自分で守る」ことが最も重要であると考えられています。このため、福岡県では、一般の方向けに、風水害に関する基礎知識、自助行動に関する知識、備蓄しておくべき品目、最寄りの避難所等様々な情報を提供していますが、過去の風水害にあっては、実際に自ら避難行動をとった住民の方々が少なく、「自助」の重要性が浸透していない実態もありました。そこで、住民の皆さんに必要な知識を伝え、災害に対する備えをしていただくには、どのような取組が効果的か、グループで話し合い、一定の結論をまとめなさい。 |
※福岡県庁の公式ホームページより引用
テーマは社会問題もしくは時事ネタに関することが取り上げられています。
なので、普段からニュース等を見て時事ネタはもちろん、そのニュースに対しての自分の意見を考える習慣を身につけておきたいですね。
そんな福岡県庁の集団討論ですが、他の受験生よりも高評価を得るためには、問題解決策を述べるだけでなく、解決策を講じることによるメリット・デメリットも挙げ、「どうすればデメリットを解消できるか」の施策まで考えること!
たとえば、「◯◯をするには経費がかかる」とデメリットだけを挙げるだけなら誰でもできます。そうではなく、
経費がかかるが、複数の自治体で共有すれば自治体一つ一つの負担を軽減することができる
このような解決案も発表できると面接官からの印象が良くなりますね。
では次に、実際に集団討論のお題が与えられてどのように考えていくかを解説します。
新型コロナウイルス感染症への対応をきっかけに、給付金申請時等における行政のオンライン手続の不具合や学校のオンライン教育に必要な基盤やノウハウの不足、テレワークを進めるうえで押印手続等がその支障となるなど、あらゆる分野でデジタル化への課題が浮き彫りとなりました。
このような中、政府は、デジタル技術の活用により、一人ひとりのニーズに合ったサービスを選ぶことができる社会の構築、誰一人取り残さない人に優しいデジタル化を進めることを基本方針に掲げ、令和3年5月、デジタル改革関連法を成立させ、9月にデジタル庁が発足しています。
そこで、一人ひとりのニーズに合うサービスを提供するため、どのようなことがデジタル化されると良いか、また誰一人取り残さないために、どのような配慮が必要か、グループで話し合い、一定の結論をまとめなさい。
※福岡県庁の公式ホームページより引用
上記は令和3年度に福岡県庁の集団討論で実際に出題されたテーマになります。
このテーマで議論する場合、考えるべきことは次の通り。
- どのようなことがデジタル化されると良いか
- 誰一人取り残さないために、どのような配慮が必要か
- 配慮を講じることにより考えられるデメリットとその解消案
このように与えられた議題を順序立てて考えていきます。
①は、まず「どのようなことがデジタル化されると良いか」について説明する
次に②ですが、ここが討論の本題になります。
デジタル化により誰一人取り残さないためにどのような配慮が必要か具体案を挙げる訳ですが、施策を講じることにより、
- 何が
- どのように
- どう変わるか
上記を順序立てて意見を出します。
そして最後に、施策を講じることによる考えられるデメリットとその解消案を挙げます。
多くの受験生はただやみくもに方策を挙げ、たくさん挙げれたからどうか評価してくださいね!という流れに持っていきますが、それだと面接官からあまり高い評価は得られません。
また、集団討論で発表する施策については、「行政」「住民」「協働」の3本柱で意見を挙げることが評価される集団討論に繋がります。
行政ができること、住民ができること、そして行政と住民、もしくは行政と民間が協力して行えることを分けて考えるといいですね。
福岡県庁・集団討論攻略ガイドまとめ
福岡県庁の採用試験で実施される「集団討論」について解説してきました。
正直、集団討論にコミュニケーション能力は関係ありません。
話上手な人だろうが、話下手な人だろうが一切関係なく、誰でも高評価を得るチャンスは平等にあります。
しかし、
「集団討論=よく話し、目立った者が評価される」
という勘違いをしている人が大変多いんですよね。
また、自分はコミュニケーション能力が低いから集団討論で評価されるのは難しい・・・と思っている方も多いと思います。
そのように考えてしまっていたら、「集団討論で評価される本質」からどんどんズレていってしまうため、
面接官から評価されず、頑張っているのに合格から遠ざかってしまうという事態におちいってしまいます。
記事内ですでにお話しましたが、集団討論で大切なのは、
「集団討論のテーマが与えられた時に次々とアイデアが頭に浮かぶ状態になれるかどうか」です。
行政が抱える課題の事例、そしてその課題に対して行政が行うことで解決できる案と、住民が行うことで解決できる案をいくつか提案すること。
また、解決策を実施するのに想定されるデメリットとデメリットを解決するための案も発言できれば他の受験生よりも評価が高くなること間違いなし!
グループワークにおいて次々とアイデアを出すことは一見難易度が高そうですが、私が執筆した『集団討論をマスターするための手引き【頻出 + 出題が予想されるテーマを徹底解説】』を読むだけで、必要な施策などのアイデアを次々とストックしておくことが出来ます。
当ブログの読者様の多くが、この方法で努力し、結果を出しています。
グループワークで高評価を獲得している人は、コミュニケーション能力に優れているとかではなく、正しい対策を正しく継続した結果だと私は思います。
だから、この記事を読んでくれているあなたは、
グループワークでどうなるか不安・・・
という考えを捨てて、
模範解答を読み込んでグループワークで高評価を得る
という考えを持って欲しいです。
私が渾身の力で書き下ろした集団討論ノウハウを使えば、
🔑行政・自治体が抱える問題
🔑その課題に対して行政が取るべき施策
🔑取るべき施策に対するメリットやデメリット
が書かれているため、あなたはただ読むだけでグループワークで勝てるスキルが身につくようになります。
集団討論に自信のない方はもちろん、自信がある方にとっても圧倒的な知識武装になるので、ぜひ手に取って活用してください。
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▶︎集団討論はこれであなたが主役になれる!