2024年、新NISAの始まりの後押しもあって、アメリカ株(主にインデックスファンド)の人気がアゲアゲ状態になっています。
S&P500は過去最高値を更新したりと、今まで投資をしていなかった人たちの「新たなお金」がかなり入って来ているな、とヒシヒシと感じています。
そんな中、投資系インフルエンサーからよく聞こえて来るのが、
というもの。
もくじ
新興国株のブームが来ると言われている理由
「新興国株が来る!」という人たちの意見をまとめると、ざっくりこんな感じになります。
- 今後10年(~2034年)の米国株は危ない
- アメリカはリセッション(景気後退)が来そう
- 過去10年以上、一つの国のブームが続いたことは無い
10年ごとの年代に分けてブームと不調だった国に分けると下記の感じになります。
ブーム | 不調 | |
70年代 | 金 | 米国株 |
80年代 | 日本株 | 金 |
90年代 | 米国株 | 日本株 |
00年代 | 新興国株 | 米国株 |
10年代 | 米国株 | 新興国株 |
20年代 | 新興国株 | 米国株 |
新興国株は2000年代に第一次ブームが来たから、そろそろまた新興国株のブームが来るんじゃないか?っていう予想からだと思うんですね。
また、アメリカ株は過去最高値みたいな話を色んな銘柄で聞くので、ぶっちゃけ加熱感は否めない。
だから、アメリカ株に集まったお金がそろそろ他の国へ流れるんじゃないか。
じゃあ、お金が流れる先はどこなのか?ってなった時に、株価上昇がここ10年間小さかった国、つまり新興国株に流れるんじゃないか、という予想みたいですね。
私は新興国株ブームは来るような気もするけど、かなり確信に近いかと言われると、半信半疑な気もしないでもない。
まぁ、先ほど分析を聞くと「なるほどな!」と思う部分もある。
だがしかしたかし、投資系インフルエンサーを私はそもそも信用していないし、有名人の意見に流されるのはチョット危険なんじゃないかな、と思うわけですよ。
インフルエンサーに乗っかって新興国株を買ったあとに暴落しても、誰も責任なんて取ってくれないですからね。
(※ いつも言ってるけど、投資は自己責任!)
確かにこれから新興国は経済成長すると言われてるし、それに伴って株価が上がると思われています。
だがしかしたかし(2回目)、必ずしも経済成長と株価上昇は一致しないってデータもあるんです。
経済成長≠株価上昇
経済成長して企業が儲かる、そしたら利益が増えるから株価も上がる、と思いそうなものですが・・・。
それがそうとも限らないのが株の世界の難しいところなんです。
※株式投資の未来:ジェレミーシーゲル著から引用
まずは上のグラフを見てください。
これは1992年から2003年の期間の、中国とブラジルの株のリターンを並べたものになります。
中国の経済成長が目まぐるしい時期で、ご覧の通り右肩上がりに成長しているのが分かります。
一方で株価はどうだったかと言うと、この赤枠内の線が中国株のリターンになるのですが、
右肩下がりになっているんですね。
では、次にブラジルを見ていきましょう。
GDPの成長率は横ばいを続けているにも関わらず、ブラジル株のリターンは大きかった。
この結果を聞くと皆さん戸惑うかもですが、これはあくまで私の考えなんですけども、
経済成長する、つまり、「この国はこれから伸びそうだぞ!」っていう情報は、成長する前に事前にある程度キャッチされる。
早い人だと、10年前くらいから株を買って仕込んでるくらい。
こういうのを株の世界では「折り込み済み」みたいな専門用語があるんだけど、早い話、経済成長するある程度前から株は買われているから、いざ成長した時には割高になっていたっていう事ですね。
株ってこういう色んな思惑を受けて上がったり下がったりする訳なので、
たとえば、今のアメリカ株のブームが終焉したら次は新興国が来る!という人が多いとします。
けど、大勢がそう思うからすでに新興国の株価は割高になっていて、みんなが思うほど上がらないかもしれない。
逆にオワコンと言われている日本株がブレークするかもしれない。
実際、
- 他国に比べて物価の上昇がゆるい
- 30年間株価が停滞していた
- 給料も30年間上がっていない
- IT後進国
という、上がる条件の少ない日本がなぜか30年の沈黙を破って、2024年になってから株価が上昇しているのはこういうことかもしれないですね。
新興国は割安?それとも割高?
経済成長と株価上昇が関係ないという事についてお話しましたが、じゃあなぜ多くの投資家が「新興国株が次に来るぞ!」と思っているかについてです。
先ほども触れましたが、ここ10年間、アメリカ株が伸びていて、新興国株が注目されなかったから。
つまり、新興国株の上昇がイマイチだったからっていうのが理由ですね。
そして、もう一つの理由が、株のブームは10年周期で変わってきているということ。
でもですね、完全に私の個人的な考えになるんですけど、このアメリカ株のブームというか上昇って、10年じゃ終わらないと思うんですよ。
つまり、新興国株ブームはまだ先で、しばらくアメリカ株ブームが続くんじゃないかってことです。
というのも、新興国っていうのはまだまだ栄えてからの歴史が少ないので経済も成熟していない。
てことは、金融ショックを回避する能力も脆弱だろうし、いざ金融ショックが起こったときに対処できるかどうかも疑問がある。
そういった理由から、新興国株の現在の株価は適正どころか、折り込み済みでなんなら割高かもしれません。
10年ごとのブームを掘り下げてみた
過去のデータを見てみると、株のブームは10年周期だったわけですが、これって何か理由があったからこうなったってよりも、たまたま10年周期だったって気がするんですよ。
それに、多くの人が「新興国株のブームが来るぞ!」って待ち構えていたら、絶対に大口の投資家は逆を突いてくるのではないか、と思いますね。
熟練の海外投資家たちは、我々素人のかなり先を読んで立ち回ってきますので、大勢が予想すれば予想するほど大金を投入して逆の動きを仕掛けてくるわけです。
投資の鉄則として、
「大衆と逆に行け!」
というもののがあるんですけど、まさにこれでして、「株は多くが予想する逆の動きをする傾向にある」っていうのは、けっこう信じていい鉄則なんじゃないかなと思います。
新興国の為替の問題について
新興国は経済成長率が高いので、その分、物価の上昇もしやすく、為替も変動しやすくなっています。
たとえば、インドの通貨であるルピーのチャートはこんな感じ。
このチャートが下がっていくと、円高になるって感じですね。
たとえば1995年の1ルピー3円のときに、3万円分の株を買ったとします。
そうすると、10,000ルピー分の株を買ったことになります。
その買った株価が2023年に2倍の20,000ルピーに上昇したとします。
でも、円換算すると、2023年は1ルピー1.6円だから、20,000ルピーは32,000円。
30,000円で買った株は、株価が2倍になっているにも関わらず32,000円にしかなっていないってことが起こるわけです。
株の儲け分を為替でほぼかき消された、って事が起こるわけです。
一般的に経済成長すると景気が良くなって、お金をたくさん刷って給料も物価も上がると、その国の通貨が安くなります。
つまり、経済成長が起こる国ではこんな感じで為替で相殺されてしまうケースが多々ある。
チョットややこしい話だったかもしれませんが、これまでの話をまとめると、
・経済成長するから株が上がるわけではなく、経済成長するとむしろ為替で儲けが相殺されてしまうこともある。
・新興国の株価が上がったとしても、為替によっては儲からないケースも全然ありうる
って話ですね。
じゃあ、どうすればいいの?
結局のところ、どこの国の株が伸びるかなんて未来のことは誰にも分からないと思うんですよ。
そりゃみんな好き好きに予想するから誰かは当たるでしょうけど、株の予想なんてそうそう当たるもんじゃない。
だから私なんかは、
って思うんですよ。
記事の中で触れた大口の投資家ですが、この人たちってアメリカの超難関な大学を出て、一流企業の中でも活躍してきた一流の中の一流なんで、大衆の心理を予想するなんてお茶の子さいさいな訳ですよ。
だから、なるべくこの一流の人と同じ動きをすることが投資で勝つ近道だと私は考えていて、じゃあこの人たちはアメリカに住んでる人たちだから、自分が住んでる国の株は基本的に悪く扱わないはず。
だったら、やっぱりアメリカに投資するのが一番なんじゃないかって思うわけですよ。
中でも、インデックスを買うのが一番「勝ち馬に乗れる方法」だと思うんですよね。
インデックスはこうした一流のプロの投資家を含む、株式の平均値になります。
そして、この平均値は一流のプロに支えられて、過去200年間、上下動しながらではあるけど右肩上がりを続けてきた。
我々素人の個人投資家は、どこの国が次に来るかとか、そういうのを考えずに「S&P500」とか「全世界株式(オールカントリー)」とかを買っていくほうが良いんじゃないかと思うんですよ。
アメリカ株買っとけば間違いない
確かにこれから何倍も上昇する可能性のある新興国株って魅力に感じるかもしれません。
でも、新興国株って逆に半値になる可能性だってあるわけですよ。
つまり、ハイリスクハイリターンってことですね。
資金に余裕があり、こういう「新興国株のロマン」に少し手を出すのはぜんぜん構わないと思うけど、まだ資金形成のステージにいる人は確実に資産を増やすためにも「S&P500」とか「全世界株式(オールカントリー)」を買っとけばいいと思いますね。
結局のところ、AppleもAmazonもマイクロソフトもGoogleも、マクドナルドもコカコーラも、全部アメリカの企業だし、どこの国にもあるし利用されています。
だから世界経済が成長すればアメリカが潤うことになる。
そう考えると、
ってことになると思うんですよ。
だから、新興国株は慌てて手を出すような株でもないのかなというのが個人的な見解になりますね。
私はこのブログで基本的に、「株をやるなら買った株は15年以上放置するつもりで買うべき」と言ってるわけですが、それって10年株価が低迷してもその後5年上昇してくれれば結局勝てるからなんですよ。
だから、長期で資産運用するスタンスで、あんまりあくせくと売り買いするのは良くないと思っていて、むしろ細かく売り買いする人ほど投資で勝てていない印象ですね。
結局のところ、アメリカを買うとか新興国を買うとか、銘柄の選別よりも重要なのは、
投資を続けられるかどうか
だと思いますね。
ブームとか、
これから来るとか、
誰々が儲かっているとか、
そういう事を聞くと勝ち馬に乗り換えたくなる気持ちも分かりますが、大事なのは継続してコツコツと買える(積み立て出来る)かどうか、という気はしますね。
新興国に投資したい場合
それでも新興国株に投資したいっていうことであれば、投資してる全体の数%だけを新興国株にするとか、小さいパーセンテージで運用するのがベストかなと思います。
たとえば私は、毎月少しだけインドのETF(インドの主力企業を集めた投資信託みたいなもの)を積み立てして、いつか爆上がりするロマンを夢見て投資しています(笑)
もし積み立てNISAで新興国株を買いたいっていうなら、以下あたりがオススメかなと思います。
- emaxis slim 新興国株インデックス
- SBI・新興国株式インデックス・ファンド
とかですね。
ただ、これらは新興国と言っても中国と台湾の比率が高いので、台湾有事のリスクを考えるとやっぱりインドのETFかなと思います。
さいごに:アメリカ株のブーム終焉!?
何はともあれ、投資をする上で大事なのは、
自分で決めた道を歩みを止めず、ひたすら突き進む
ってことだと思います。
毎月S&P500を積み立てると決めたら10年、20年と積み立てる。
毎月全世界株式(オールカントリー)を積み立てると決めたら以下同文。
そうやって長期的に続けていくことが大事なんじゃないかと思いますね。
全世界株式(オールカントリー)派の人は新興国も含まれているんだし、
S&P500派の人だって、新興国の成長は周り回ってアメリカが潤うようになってるんだし。
まぁ10年後に、私が積み立ててるインドが爆上げしてメチャクチャ喜んでいたら嫉妬して、爆下げして青ざめてたら笑ってやってください(笑)
まだ証券口座を開設していない方へ
実はまだ、証券口座を開設していないとか、
メインで使ってる証券口座以外にも他にも証券口座を開設したいって方っていらっしゃいますか?
私のオススメは『楽天証券』、もしくは『SBI証券』です。
(当然、私も使っています)
インデックス投資信託を買う場合、ポイントが付くのですが、その還元率が一番高い点がオススメですね。
で、証券口座を開設する場合、『ハピタス』を経由すると、ハピタスのポイントが貯まってお得です。
たとえばSBI証券の場合、タイミングによって9,000ポイントも貰えます!
(※ 2024年2月現在。時期によってポイントは変わります)
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(※ 2024年2月現在)
下記のリンク経由じゃないと口座開設で9,000ポイントも、お友達紹介からの1,500ポイントも貰えないので注意してくださいね。
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ハピタスのポイントは、1ポイント1円で現金化したり、
- 楽天ポイント
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- Amazonポイント
- 航空系のマイルポイント
などに交換できます。
ハピタスは怪しいサイトでも何でもなく、非常に良心的なサイトなので同僚とかにも勧めています。
ちなみに、「なぜこんなにポイントが貰えるの?」についてですが、ハピタスはSBI証券といった証券会社を紹介することで広告費をもらっています。
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もちろん、手順も簡単です。
まずはリンク経由でハピタスにアクセスして、そこで会員登録をします。
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