・給料の差とかあるのかな?
・男女の採用比はどれくらい?
このような疑問にお答えします!
本記事では、
- 公務員の男女間の給料格差
- 公務員の男女間の生涯年収の比較
- 公務員の男女の採用事情
について解説しています。
男女平等がスタンダードになっている昨今ですが、民間企業は給料や出世の面で男女格差がまだまだあるのが現実です。
では公務員の男女格差はどうなのか?について、総務省の統計データを基にまとめました。
【公務員の男女別格差】給料の比較
公務員は「仕事内容」、そして「給料」においても男女間の格差が無い仕事だと聞いたことがあるかもですが、それは果たして本当なのでしょうか。
ここでは大卒の一般行政職をサンプルに、男女の給料の格差を比べてみました。
都道府県で働く公務員の給料男女間格差
男性 | 女性 | |
22〜23歳 | 187,503円 | 187,408円 |
24〜27歳 | 206,676円 | 206,700円 |
28〜31歳 | 235,692円 | 234,976円 |
32〜35歳 | 268,880円 | 266,522円 |
36〜39歳 | 308,851円 | 302,661円 |
40〜43歳 | 349,062円 | 341,291円 |
44〜47歳 | 375,212円 | 367,849円 |
48〜51歳 | 391,624円 | 383,748円 |
52〜55歳 | 406,475円 | 398,553円 |
56〜59歳 | 422,579円 | 409,156円 |
※データ元は総務省「平成30年4月1日地方公務員給与実態調査」を参照(以下同じ)
20代、30代までは男女ほぼ同じことが分かります。
民間企業で働くOLさんはあまり給料が上がらないケースが多いので、給料面で男女格差のない公務員はやはり女性にとって魅力的な仕事であると言えます。
後述しますが、出世はさまざまな理由からどうしても男性の方が有利なのは確か。
なので40代以降になるの男性の方が給料が多くなりますが、それでも最大で月に13,000円ほど。
年収にすると約30〜40万円ほどの差なので、男女間の格差はそれほど深刻ではないことが分かります。
政令指定都市で働く公務員の給料男女間格差
男性 | 女性 | |
22〜23歳 | 183,123円 | 182,990円 |
24〜27歳 | 202,909円 | 203,295円 |
28〜31歳 | 234,952円 | 233,788円 |
32〜35歳 | 269,519円 | 266,001円 |
36〜39歳 | 310,026円 | 301,862円 |
40〜43歳 | 348,640円 | 339,258円 |
44〜47歳 | 378,158円 | 365,937円 |
48〜51歳 | 400,306円 | 382,476円 |
52〜55歳 | 422,759円 | 398,512円 |
56〜59歳 | 442,346円 | 417,568円 |
政令指定都市で働く公務員も、30代まではほぼ同じ給料となります。
また、40代で1万円程度。50代でも2万円ちょっとしか差がないため、やはり公務員は男女による給料格差が少ない仕事と言えます。
市役所で働く公務員の給料男女間格差
男性 | 女性 | |
22〜23歳 | 185,266円 | 185,643円 |
24〜27歳 | 203,696円 | 204,458円 |
28〜31歳 | 229,505円 | 229,736円 |
32〜35歳 | 258,546円 | 256,824円 |
36〜39歳 | 298,024円 | 293,012円 |
40〜43歳 | 337,159円 | 330,403円 |
44〜47歳 | 368,770円 | 360,230円 |
48〜51歳 | 389,934円 | 379,111円 |
52〜55歳 | 407,401円 | 393,338円 |
56〜59歳 | 422,114円 | 405,336円 |
市役所で働く公務員は30代半ばから徐々に差が出始めます。
とはいえ、その差は数千円。
多くの方がキャリアハイを迎える定年間近でも最終的な差は17,000円ほどなので、都道府県や政令指定都市よりもさらに男女の差は少ない結果となっています。
町村で働く公務員の給料男女間格差
男性 | 女性 | |
22〜23歳 | 181,251円 | 181,480円 |
24〜27歳 | 198,534円 | 199,663円 |
28〜31歳 | 222,628円 | 223,616円 |
32〜35歳 | 249,316円 | 247,545円 |
36〜39歳 | 287,012円 | 282,599円 |
40〜43歳 | 325,837円 | 317,948円 |
44〜47歳 | 357,894円 | 347,012円 |
48〜51歳 | 379,380円 | 366,580円 |
52〜55歳 | 392,860円 | 378,762円 |
56〜59歳 | 402,283円 | 386,753円 |
町村役場で働く公務員は31歳までは格差どころか、むしろ女性の方が給料が高くなっています。
30代前半で男性に逆転負けされるものの、やはり民間企業に比べると男女の差は少ないですね。
出産で1度、もしくは2度産休で途中離脱してもこれほどしか格差がないのはかなり労働条件が良いといえますね。
このデータを見習って、民間企業でも女性の仕事の復帰しやすさ、そして給料の格差をできるだけ減らして欲しいですね。
特別区で働く公務員の給料男女間格差
男性 | 女性 | |
22〜23歳 | 186,091円 | 186,267円 |
24〜27歳 | 203,664円 | 204,356円 |
28〜31歳 | 233,944円 | 234,975円 |
32〜35歳 | 274,842円 | 267,372円 |
36〜39歳 | 316,190円 | 302,722円 |
40〜43歳 | 355,123円 | 334,950円 |
44〜47歳 | 382,271円 | 361,343円 |
48〜51歳 | 390,160円 | 372,923円 |
52〜55歳 | 403,004円 | 388,344円 |
56〜59歳 | 419,175円 | 410,795円 |
日本の公務員の中でトップクラスに給料の高い特別区の職員ですが、やはり他の自治体同様30代から差が生まれ始めます。
40代で20,000円ほどの差がつきますが、そこから差が広がるのではなく定年に近づくにつれて格差は縮まります。
給料の多い特別区だからその差も大きいのかと思いきや、意外と男女間の格差は少ないなという印象ですね。
ちなみに、ここで掲載した数値は月給ではなく「月額基本給」になります。
どういうことかと言うと、公務員の給料は下記のように、
月給=基本給+時間外手当(残業代)+地域手当+扶養手当+交通費など
基本給にさまざまな手当を加えたものが月給となります。
本記事の表に記載した数値は基本給なので、実際には先ほどの数字よりも若い頃は5万円ほど、50代に近づくと10万円以上多い給料をもらうことになります。
【公務員の男女別格差】生涯年収の比較
続いて、公務員の生涯年収が男女によってどれくらい違うのか見ていきましょう。
都道府県で働く公務員の生涯年収男女間格差
男性 | 2億1298万4418円 |
女性 | 2億924万9291円 |
男女の差 | 373万5127円 |
生涯年収ですから大卒で38年間勤めたとすると、1年に98,292円の差ということになります。
政令指定都市で働く公務員の生涯年収男女間格差
男性 | 2億2739万6868円 |
女性 | 2億1999万2079円 |
男女の差 | 740万4789円 |
政令指定都市で働く公務員は都道府県よりも生涯年収が高いので、その分、男女間の格差も広がっています。
額にして740万円。
これくらい格差があると女性からすると面白くない気持ちになりますね。
政令指定都市は都道府県よりも役職のポストが多く、そのほとんどを男性で占めるために50代での格差が大きくなっているのが要因の1つになります。
市役所で働く公務員の生涯年収男女間格差
男性 | 2億704万9697円 |
女性 | 2億274万6462円 |
男女の差 | 430万3235円 |
政令指定都市ほどではないものの、市役所で働く公務員も男女の格差が大きいという結果となっています。
男女平等の世の中とはいえ、まだまだ給料面では完全な平等とは言えないですね。
町村で働く公務員の生涯年収男女間格差
男性 | 1億9335万4950円 |
女性 | 1億8902万551円 |
男女の差 | 433万4399円 |
町村役場で働く公務員の男女格差は約433万円。
これだけ差があると家を購入したとすると、ローンの返済が4、5年は変わってきてしまいますね。
特別区で働く公務員の生涯年収男女間格差
男性 | 2億4615万8221円 |
女性 | 2億3810万3268円 |
男女の差 | 805万4953円 |
給料が高いだけあって、男女間の生涯年収の差は特別区が最も大きいという結果に。
その差は805万円。
この結果から、給料の格差が大きいのは、
特別区 > 政令指定都市 > 町村 > 市役所 > 都道府県
ということになります。
特別区は最も都会、そしてさまざまな物が最先端であるはずなのに、給料格差の観点から言うと日本で最も古い体質の自治体と言えますね。
女性の場合、妊娠・出産で仕事から離れることを余儀なくされるケースが多く、その空白期間により出世の道を断たれてしまいがち。
ただ、妊娠・出産は少子高齢化が進む日本にとって感謝すべきことですので、それにより給料や出世において不利になるのはぜひとも改善していって欲しいところです。
民間企業に勤める会社員の生涯年収
公務員と比較するために、民間企業に勤める会社員の生涯年収も算出してみました。
大企業の生涯年収(従業員1,000人以上)
男性 | 2億9056万4400円 |
女性 | 2億1290万1900円 |
男女の差 | 7766万2500円 |
※データ元「厚労省:H30賃金構造基本統計調査」における「全産業平均」を参照。以下同じ。
これまで公務員の格差を見てきましたが、民間企業のデータを見るといきなり桁が変わりましたね(苦笑)
なんと男女間の格差は7700万円以上!
ここまで格差が発生する理由としては、民間企業では結婚・妊娠・出産といった人生のフェーズが変わるタイミングで退職する女性がたくさんいます。
というより、大企業とはいえまだまだ出産後に仕事に復帰しにくい空気感の企業がたくさんあるということですね。
そのため30代までに仕事を辞める女性が多く、そういった方たちが女性の平均年収を引き下げてしまっているという結果に。
また、OLさんは給料の上がり幅が無いため、ほとんどが年収350万円くらいで頭打ちになります。
一般企業の生涯年収(従業員1,000人未満)
男性 | 2億3291万3700円 |
女性 | 1億8293万9400円 |
男女の差 | 4997万4300円 |
続いて一般企業の生涯年収の格差は上記の通り。
大企業よりも格差は縮まっていますが、それでも約5,000万円の差が男女間であるということに。
中小企業の生涯年収(従業員1,00人未満)
男性 | 1億9023万1000円 |
女性 | 1億5425万7200円 |
男女の差 | 3597万3800円 |
さらに差は縮まってはいるものの、それでも3,500万円以上の格差があります。
大企業・一般企業・中小企業、どの場合においても公務員と比較するとかなりの生涯年収の差があることが分かります。
このことからも、女性は働くなら民間企業ではなく公務員になるべき!といえますし、実際に雇用条件の良さがデータとなって現れていますね。
公務員の男女の採用格差
採用時の男女数ですが、警察官や消防士は圧倒的に男性が多く、自治体にもよりますが比率は「5:1」で男性が多いです。
また、行政職は警察や消防士ほどではないにしても、男女の差は3:2で男性の方が少し多い印象ですね。
こういった私の肌感覚による男女の数ではイマイチ信憑性に欠けるので、現在働いている公務員の数から男女の人数がどれくらい違うか見ていきましょう。
※基となるのは、5年に1度発表される総務省のデータになります。
都道府県:男女別の職員数
男性 | 85万5100人 |
女性 | 53万3290人 |
男女の割合 | 1.6:1 |
政令指定都市:男女別の職員数
男性 | 19万9198人 |
女性 | 14万3869人 |
男女の割合 | 1.4:1 |
市役所:男女別の職員数
男性 | 41万4472人 |
女性 | 28万9383人 |
男女の割合 | 1.4:1 |
町村:男女別の職員数
男性 | 8万595人 |
女性 | 5万6940人 |
男女の割合 | 1.4:1 |
特別区:男女別の職員数
男性 | 2万8712人 |
女性 | 3万2908人 |
男女の割合 | 1:1.1 |
特別区だけは女性の方が多いですが、男性職員数に比べて女性職員の数が少ないことが分かりますね。
まとめ
- 公務員は30代に突入すると男女間の給料差が出てくる
- それに比例して生涯年収も男性の方が高い
- ただし民間企業と比較すると公務員は男女間による給料格差はかなり少ない
- 特別区以外は男性職員の方が多い
データを見てみると、たしかに男女間による格差はあるものの、その差は民間企業と比べたかわいらしいものであるということがいえます。
もちろん女性側の目線から見ると同じ仕事をしているのに給料に差があるのは面白くない・・・と感じるかもですが、民間企業と比べると公務員は女性にとって給料面で恵まれていると言えるのではないでしょうか。
妊娠・出産の後に職場復帰のしやすさとかも公務員はかなり手厚いですからね。
それでは本記事は以上になります。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
婚活は諦めたらそこでゲーム終了ですよ!という話
公務員は女性にとって最高の職場なの?
記念日を一人で過ごしたくないなら読んでみませんか?