ベテラン公務員のあなた。
若い世代とのジェネレーションギャップに悩んでいませんか?
ジェネレーションギャップみたいなものは今に始まったことではなく、それこそ縄文時代あたりでも、
みたいなことがあったハズ(知らんけど)。
でも、時代が進むにつれて若い世代とのギャップに悩む人が増えているのは間違いないのですが、これは、
「時代の変化が目まぐるしく早いから」
「価値観などの多様性が進んでいる」
というのが要因ではないか、という気がします。
公務員といえども老後に不安が無いわけじゃないし、働いていて、生きていて何が正解か分からない時代。
上司である自分の評価が下がるから出来ることなら若手の離職を防ぎたいし、世代を超えてコミュニケーションが取れる風通しの良い職場を作っていきたい。
そのためにはどうすれば良いか、私なりの考えをお話していきたいと思います。
もくじ
ジェネレーションギャップを感じる2つの原因

公務員の方向けのメディアを長い間運営していると、ベテランと呼んでいい世代の方からの相談を受けることも少なくありません。
悩みとして多いのが、
でして、その悩みの出口としては、
「若い世代と仲良くしたい」とか、
「接し方が分からないので、どのように接すればいいか知りたい」みたいな話がほとんどです。
さて、まずお話したいのが「なぜジェネレーションギャップが起きるのか?」ですが、理由は以下の2点だと考えられます。
- 会話が少ない(足りない)
- ベテランと若い人のお互いの認識のズレ
①:会話が少ない(足りない)
1つ目の「圧倒的に会話が足りない」についてです。
「若い世代が何を考えているのか分からない」と悩む人ほど、若手とほとんど会話をしていません。
こういう話をすると、「いやいや、私は若手とコミュニケーションは取っている方だと思うよ」みたいな反論をされる方もいますが、よくよく聞いていると、
業務上の連絡や指示を会話だと思い違いしているケースがほとんどですね。
このケースは論外なのでひとまず置いといて、ここで取り上げるのは、
「何を話せばいいのか分からない」
「共通の話題がない」
といったコミュニケーションを取れていないことへの自覚があり、本来は話がしたいんだけど、どうアプローチすればいいか分からないというポジティブな悩みのケースですね。
コロナ禍以前なら、忘年会や歓送迎会といった「役所オフィシャルの飲み会」があるため、年に数回はお酒を飲みながら談笑をする機会があったはず。
でもここ数年は飲み会を開きにくかったり、開いても若手が参加してくれない・・・みたいな事も多いはず。
そういった場合は、何とか努力して勤務時間内にコミュニケーションを取る必要があります。
②:ベテランと若い人のお互いの認識のズレ
コミュニケーションにおいて、ベテランと若手で認識ズレが生じているケースも少なくありません。
若手が離職する原因トップ3に、「上司が話(悩み)を聞いてくれない」が入るわけですが、この時にだいたい上司サイドは「話を聞いていた」と回答しているんですね。
これって、片方は「悩みを聞いてアドバイスもしたのに、勝手に辞めた」と思っていて、もう片方は、「話を聞いてもらっている感じがしない」というギャップが生まれています。
このギャップが生まれる要因ですが、これって双方の思いの違いがあるんです。
若手からすると、「まずはこちらの話を聞いて欲しい。そして、話を聞いた上で改善をして欲しい」という思いがあります。
一方、上司が行なっているのは、「それは違う!こういう時はこうだと思うよ」と自分本位のアドバイスをしてみたり、「俺たちの若い頃は・・・」みたいな、聞いてもないのに武勇伝を披露しちゃったりしてる。
若い世代からすると、ありがたいアドバイスなんて求めてなくて、ただ若手が仕事をしやすいように全体に働きかけてもらいたいだけなんです。
若い世代は働きかけることが出来ない

世代間のギャップを解決するのは簡単そうに思えて、実はなかなか一筋縄にはいかない。
というのも、ギャップを解決するのは効果的なコミュニケーションしか方法は無いのだけど、この効果的なコミュニケーションを取るのが恐ろしく難易度が高いのである。
だって若手から具体的な行動を取ろうとしても、それってなかなか出来ることじゃないのが実情じゃないですか?
ベテラン世代が「若手とのコミュニケーションが不足しているな」と自覚がある場合は、
など、自分の意思で解決策を探り、行動することができる。
だけど、若い世代はそれが出来ません。「上司との関係をよくしたい」と思っても、自分から行動を取ることは難しい。
なぜなら、話を聞いてくれない上司に対して、「アドバイスなんて求めてなくて、もっとこちらの話を聞いてくれませんか?」とは言いにくいものだし。
近年、「上司ガチャ」とか「人事ガチャ」という言葉があるけど、公務員は部署も同僚も選べないんだから、現状を我慢して受け入れるか、離職するしか選択肢が無くなってしまうのである。
コミュニケーションは些細なことでOK!

若手世代の職員に対して、上司としてどのように接すればいいか?
多くの若手が「コミュニケーションの取り方が下手な上司に愛想を尽かしている」という現実をまずは自覚すべきだと思います。
こういう話をすると、
みたいな反論がありますが、そもそもそういう考えがダメなんです。
ていうか、裁量や権力を持ってる側にいるんだから、もっと弱者側に配慮した立ち回りをしなきゃいけないんです。
じゃあ具体的にどうすればいいの?ですが、何も若手にペコペコしろとか、飲み会に誘えとか言ってる訳じゃありません。
飲み会なんかはむしろ若手は面倒に感じますからね。
若手とのコミュニケーションの入り口としてオススメなのが、
お菓子やジュースを配る
これだけでOKです。
お菓子やジュースを嫌いな人はいないし、もらえるとやっぱり嬉しいもの。
「いつもお疲れ様。頼りにしてるよ!」みたいなちょっとしたコミュニケーションだけで、若手からの印象が良くなり、「話をしやすい上司」というポジションにつくことが出来る。
つまり、数百円で最適なコミュニケーションの場へのアクセス権を手に入れることが出来るという訳です。
これって有能な上司ほど行なっていて、相手が気を使わない程度のものをあげることで、自分の好感度を上げたり、声をかけやすい人物になれるよう自己プロデュースを行っています。
もちろん、お菓子やジュースをあげるにしても、「買ってやってる感」が出ちゃうと絶望的にダサくなるので気をつける必要はあります。
また、どこまで本音で話してくれるかは、組織全体の雰囲気にもよるかもしれません。
だけど少なくともコミュニケーションの入り口を作ることで、両者の認識のズレを縮めたり、一人で抱え込んだりしなくてもよくなり、離職まで追い込まれなくてもいいケースが増えるのではないか、と思います。
より多くの意見を集めてこそ組織は良くなっていく

バブル世代、団塊ジュニア世代、就職氷河期世代、ゆとり世代、さとり世代、Z世代。
こういった様々なジェネレーションが同じ場所に集まって働いている時代こそ、色々なアイデアを出しつつ、自立して働くべきなのではないかと思います。
実際、若手公務員の方の相談を聞いていると、「もっと時代に即したやり方で仕事をしたいし、職場内で意見が言える環境が理想」といった声をよく聞きます。
とはいえ、公務員の職場こそ「古き良き体質」なので、なかなか若手が上司に対して提案するような環境じゃないのではないでしょうか?
まして、上司が「自分は若手とコミュニケーションをしっかりと取れている」と勘違いしようものなら、若手のアイデアは表に出ることもないし、活気のある組織づくりとは程遠いものになる。
いつの時代も、イノベーションを起こすのは若い世代なのだから、少なくとも上司は若者に耳を傾ける姿勢だけは忘れないでいて欲しい、と思いますね。
若手公務員の離職を減らすために

若手の公務員の方からの「私の上司は話を聞こうとしてくれません。この場合、どのようにすればよいのでしょうか?」の質問には、次のように答えました。
「部下に寄り添える上司は基本的にいないと考えてください。ですが、必ず苦しみを理解してくれる人が一人くらい周りにいますので、あなたの努力でその人を探してみてください」
加えて、若手の離職を恐れるベテラン公務員にはこのように提案しました。
「若手はあなたが思っている以上に、日々仕事の中で悩み、苦しんでいます。若手が絶望しないためにも、あなたに相談しやすいよう門扉を広げる努力をしてください」