霞ヶ関で働いているキャリアと呼ばれる国家公務員ともなると、地位も名誉も高額な給料も手に入ります。
しかしその代償として毎日過酷な残業をしているということはあまり知られていません。
ちなみに、キャリア官僚がいかに残業して働きまくってるかについての話は、以下の記事で書いていますので合わせて読んでみてくださいね。
楽したい、定時に帰りたいなら「地方公務員」という選択がベストな訳ですが、地方公務員だからといってどこもかしこも定時に帰れる訳ではありません。
市町村役場に入庁し、実際に配属された部署で働くまではサービス残業がないかや、毎日定時に帰れるかどうかはわかりません。
しかし、残業しないですむ可能性の高い自治体を選べば、残業のリスクを少しでも回避することができます。
本文では、
大きな自治体で働くことのメリット
について解説しています。
結論から先に言いますと、残業や土日出勤が嫌なら政令指定都市に入庁すべきです。
どの自治体を第一志望にするか悩んでいる方は本記事を読んで、ぜひ参考にしてみてください。
公務員になるなら政令指定都市に入った方がいい理由

休日出勤はどこの市役所もほとんど無いと考えていいと思いますが、残業については同じ自治体でも部署によって多い少ないの差が激しかったりします。
残業や土日出勤が嫌で民間企業を辞めて公務員になったのに、公務員になっても残業に苦しめられるのでは何のために公務員になったのかわからないですよね。
突然ですが、残業や休日出勤なるべくしたくないならどうすればいいかご存知ですか?
答えは、「残業や休日出勤をしたくないなら、大きな市役所に入ること」です。
ではなぜ大きな市役所に入った方がいいのかというと、その理由は以下の通りです。
- 採用人数が多いから受かりやすい
- 自分の代わりがいくらでもいる
- 職員が多いので悪目立ちしない
- 地方とはいえ、そこそこの都会で働ける
- 福利厚生がしっかりしている
これらの理由から、小さな自治体よりも大きな自治体で働くことをおすすめします。
①:採用人数が多いから受かりやすい
想像できるかと思いますが、田舎の役場は都会の自治体に比べ職員の数が圧倒的に少ないです。
したがって新規採用の募集人員も少ないので、実は政令指定都市よりも田舎の役場の方が狭き門だったりします。
【実際の採用データ】
採用人数 | |
大東四条畷消防 | 3名 |
大阪市 | 126名 |
大東四条畷と大阪市の消防の採用人数を比べた場合、上記のように圧倒的な差があることが分かります。
実に大阪市の消防士は大東四条畷の42倍の採用があったわけです。
「大きな市役所の方が採用人数が多いから受かりやすい」ということが、このデータを見れば一目瞭然ですね。
ちなみに、志望先の自治体が決まらない方は、市役所の選び方を以下の記事で解説していますので、合わせて読んでみてください。
②:自分の代わりがいくらでもいる
自分の代わりがいくらでもいるというと、マイナスイメージに聞こえる方もいるのではないでしょうか?
- この仕事は自分しか出来ない
- 自分がいなければ職場が回らない
上記のように思っていたり、周りからそのように言われると嬉しい人もいると思いますが・・・
ただし、これは言い換えると「休めない」ということなんです。
実際に私が政令指定都市の職員になって働いてみて、「自分の代わりがいくらでもいる」というのは日常的に感じます。
というのも、私のいる課だけでも200人以上の職員が働いています。
そんな中で自分がいようがいるまいが体制に全く影響が無いので、働いていて非常に気が楽ですね。
③:職員が多いので悪目立ちしない
職員の数がたくさんいるということは、自分よりも仕事が出来なかったり、いい加減な人がいる可能性が高いです。
ということは、自分がミスしたり気が抜けていたりした時でも、自分よりも仕事が出来ない人がいることでみんなの目はそちらに向きます。
つまり、良くも悪くも「人が多いと悪目立ちしないで済む」ということ。
ほかにも、人数が多いと飲み会に行かなくても目立たないんですよね。
職員の数が少なく、アットホームな自治体ではそんな訳にはいかないと思いますので、飲み会1つ取っても大きな自治体はメリットが大きいですね。
④:地方とはいえ、そこそこの都会で働ける
政令指定都市であれば東京、大阪、名古屋といった大都市以外でもそこそこの都会であり、そこで働けるということは様々な面で生活しやすいといえます。
というのも、あなたは公務員を目指す世代なので、これから結婚し子育てをしていく可能性が高いと思います。
奥さんが買い物に行ったり、子供が通学するにしても都会の方が生活しやすいのは間違いありません。
小学校の頃からバス通学しなければならない程、学校まで遠いような田舎もありますからね。
このように、あなただけではなく、家族のことを考えると「都会に住んだ方がメリットが多い」と言えます。
⑤:福利厚生がしっかりしている
大きな市役所ほど福利厚生がしっかりしています。
具体的にどのようなことで恩恵を感じているかと言いますと、スポーツ施設1つ取っても田舎には1つあるかないかといったのに比べ、政令指定都市クラスだと複数あったりします。
他にも、野球やサッカーの球団があるような自治体だと試合のチケットが安く買えたり、あと大手旅行会社と提携して旅行が安く行けたりとかします。
そして、これは福利厚生ではありませんが、公務員の給料には「地域手当」というものがあり、基本的に給料の多い・少ないはこの地域手当に左右されると言っても過言ではありません。
ちなみに全国で最高は特別区の20%で、小さな自治体では地域手当がゼロという所も少なくありません。
これは単純に給料が20%差があるということなんです。
この公務員の給料に大きく関わってくる「地域手当」ですが、以下の記事で解説していますので合わせて読んでみてくださいね。
田舎の役場に入ると残業や土日出勤のリスク大

最後になりましたが今回のブログの本題です。
田舎の自治体に入ると、都会の自治体に比べ圧倒的に残業リスクが高まります。
どうしてかと言いますと、単純に田舎の自治体の方が職員1人に対する仕事量が多いんです。
なので、忙しいので時間内に仕事が終わらないということが頻繁に起こる可能性があります。
田舎の自治体ではサービス残業のリスクも高い
田舎の自治体では1人あたまの仕事量が多いだけでなく、サービス残業のリスクも高まります。
小さな自治体ほど役場に予算が少ないため、職員の残業代の予算も都会に比べてはるかに少なくなります。
したがって「お金が無い=残業代が払えない」となって、いわゆるサービス残業になります。
また、ほかにも小さな自治体で働くデメリットはあるのですが、それは以下の通り。
- 選挙の時に職員総出で働かなければならない
- 大雨、地震などの災害時に出動する順番がすぐ回ってくる
- 宿直、日直がある場合には夜勤や土日出勤がある
職員の数が多い市役所であれば、職員の1~2割が選挙業務の為に土日出勤する事で対応出来ますが、小さな自治体だとそうはいきません。
文字通り職員総出で対応しなければなりません。
選挙は年に一度も無いですが、みんなが出勤しなくても済む市役所がある一方、自分は選挙の度に駆り出されるとなると面白くないですよね。
また、最近ではゲリラ豪雨などの自然災害で緊急出動がかかるケースが多くあります。
豪雨で緊急出動がかかると、公務員は真夜中でも出勤して道路が冠水していないかなどを調べに街中を巡回することになります。
この豪雨での緊急出動も田舎、都会に関わらず必ず行わなければいけないので、職員の数が少ないと頻繁に出動の順番が回ってくるということになります。
私はお酒が苦手なのでさほどストレスにはなりませんが、晩酌をする人は豪雨がありそうという予報の日はお酒が飲めないので、緊急出動はかなりストレスを感じるようです。
私の市役所では宿直・日直の制度が無いのですが、まだ行っている市町村もあるようです。
ちなみに宿直とは夜間の電話対応の業務、日直とは土日、祝日の昼間の電話対応の業務です。
私の市役所がこの宿直・日直をしなくていい理由としましては、非常勤の職員、いわゆるアルバイトに任せていたり、民間企業に委託していたりします。
財源が乏しい自治体では、委託やバイトを雇ったりすることは難しいので宿直・日直を自分たちで行う必要があるため、定期的に土日出勤や夜勤をしています。
ちなみに、政令指定都市のリアルな給料については以下の記事で紹介していますので、興味のある方はぜひ合わせて読んでみてくださいね。
まとめ

- 政令指定都市は職員採用人数が多いので田舎よりも合格しやすい
- 政令指定都市は職員の数が多いので自分の代わりがいくらでもいる
- 政令指定都市は職員の数が多いので自分の粗が目立ちにくい
- 政令指定都市は東名阪以外でもまあまあの都会で働ける
- 政令指定都市の福利厚生は田舎よりも手厚い
- 政令指定都市は田舎の役場よりもサービス残業のリスクが少ない
以上、残業や土日出勤が嫌なら政令指定都市の市役所で公務員になろう、についてまとめてみました。
大きな自治体で働いた方が小さな自治体に比べて、給料的にも休み的にもメリットが大きいです。
なので、「ここで絶対働きたい!」といった思いが無いのであれば、政令指定都市のような大きな自治体で働くことをオススメします。
それでは最後におすすめの記事を貼って本記事を終わりにしたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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