・もしデメリットがあるなら知りたい!
・大卒じゃないと公務員は出世できないって本当?
上記の疑問や悩みが解決できる記事になっています。
公務員には主に大学卒業程度の「上級」、短大卒業程度の「中級」、そして高卒程度の「初級」というくくりで試験区分が分かれています。
高卒の公務員は出世できないとか給料が安いとか聞いたことがあるかもですが、それが本当なのか?について公務員として20年近く働いた私が詳しく解説していきますね。
もくじ
高卒で公務員になるメリットとは
実はあまり知られていませんが、高卒で公務員になるメリットはたくさんあります!
その中から特にこれは大きいメリットだ!という事について取り上げてみますね。
- 競争相手のレベルが低く合格しやすい
- 早くから安定した収入が得られる
- 大卒公務員と生涯年収はそれほど変わらない
①:競争相手のレベルが低く合格しやすい
就職氷河期・リーマンショックなど度重なる不況もあり、一流大学出身の公務員が増えています。
つまり、大卒区分の公務員試験では学歴のある「頭の良い人たち」と競争することになります。
一方、高卒区分の公務員試験だと競争相手は21歳以下の人たちなので、高学歴な人はあまりいません。
「競争相手のレベルが低い=試験に受かりやすい」と言えるので、高卒区分は大卒区分よりも圧倒的に合格へのハードルは低いという事実があります。
②:早くから安定した収入が得られる
この記事を書く私の時代、バブルがはじけた後に中学・高校生活を過ごし、そのときによく言われていたのは、
大学卒業の頃には景気は回復しているはず!
ということでした。
しかし実際はその後ますます景気は悪くなり、就職活動をする頃は不景気のピークで就職氷河期の中でも私の年は特に就職活動に苦労しました。
つまりどういうことかと言うと、今後の景気の動向は分からないから早く安定した仕事に就けるのであればそれは大きなメリットだということです!
③:大卒公務員と生涯年収はそれほど変わらない
高卒公務員は大卒よりも給料が安いと言われることが多いですが、生涯年収で見るとそれほど大きな違いはありません。
そもそも大卒の人と比べて4年多く働くことになるので、その間に年収350万円 × 4年 =1400万円は稼げることになります。
いくら大卒公務員といえども1400万円の差を縮めるのは容易ではありませんので、「高卒の公務員は給料が安い」というのは当てはまらないと言えます。
高卒で公務員になるデメリットとは
- 中堅になって楽できるまでに時間がかかる
- 人生の中で1番楽しい大学生活を経験できない
①:中堅になって楽できるまでに時間がかかる
高卒で公務員になるデメリットの1つが「下っぱ生活が長い」こと。
大卒でストレートで公務員になると7,8年働くと30歳のいわゆる「中堅公務員」の仲間入りを果たします。
その頃になると後輩の数も増えて、雑用を自分がする必要が無くなってきます。
一方、高卒の公務員だと12年働いてやっと30歳。中堅の年齢になるまでけっこう時間がかかってしまいますね。
下っぱの働きが嫌じゃないならいいのですが、そうでないなら12年も続けるのはなかなかのストレス(デメリット)になります。
②:人生の中で1番楽しい大学生活を経験できない
最大のデメリットがこれです。
個人によって感じ方は違うかもですが、私は大学生活が人生で最も楽しいと思います。
時間に余裕があり、バイトをして使えるお金が増え、お酒が飲めるようになり、交友関係が広がる。
青春的な楽しさでいうと高校時代なのかもですが、「自由になれた楽しさ」でいうと断然大学生活ですね。
この大学4年間を経験できるかどうかはその後の人生に多少なりとも影響すると思いますので、その経験ができないことはデメリットと言えます。
大卒じゃないと公務員は出世できないって本当?
結論から言いますと、
出来ないことは無いけど出世してる人は大卒がほとんど
ですね。
これは大卒の人が優秀だからという以前の話で、そもそも公務員には高卒よりも大卒の人口の方が圧倒的に多いんです。
なぜなら、大卒と高卒だと採用人数に大きな差があるから。
以下の表を見てください。
2021年度の大卒区分と高卒区分の採用人数になります。
自治体 | 大卒 | 高卒 |
横浜市(事務職) | 260人 | 50人 |
大阪市(事務職) | 190人 | 25人 |
宮城県庁(行政事務) | 55人 | 25人 |
青森県庁(行政事務) | 63人 | 5人 |
表を見れば一目瞭然ですが、大卒の方が圧倒的に採用人数が多いんですよね。
なので分母が大きい分、出世する人も大卒が多いというのは当たり前の話なんです。
公務員の出世は上司に気に入られるかどうか
公務員は基本的に「大卒だから出世できる」とか、「高卒だから出世できない」といったことはありません。
課長補佐あたりの役職までは年功序列で大半の人がたどり着くことができます。
それよりも上の課長クラス以上だと一握りの人しかなれないのですが、出世できるかどうかは「上司に気に入られるかどうか次第」です。
仕事の成果が分かりにくい仕事内容なので、ぶっちゃけ仕事の優劣が付けにくいのが公務員の仕事。
なので、高卒だから出世できない・・・と諦めるのではなく、上司に気に入られる処世術を身につければ出世の道はおのずと見えてくるでしょう。
まとめ
それでは最後におさらいしましょう!
高卒で公務員になるメリットは次の通りです。
- 競争相手のレベルが低く合格しやすい
- 早くから安定した収入が得られる
- 大卒公務員と生涯年収はそれほど変わらない
続いて、高卒で公務員になるデメリットはこちらです。
- 中堅になって楽できるまでに時間がかかる
- 人生の中で1番楽しい大学生活を経験できない
高卒の公務員は大卒に比べて給料が安いとか出世できないという声を聞いたことがあるかもですが、それは半分正解で半分間違いといった感じ。
給料は大卒に比べて少ないですが、それでも大卒に比べて4年多く働けるので生涯年収でいうとそれほど差はありません。
また、出世している公務員は大卒だからではなく、ただ単に高卒よりも大卒の職員の方が多いからです。
このように、高卒で公務員になるにはメリットもたくさんありますので、
「大学で特にやりたい事もない」
「公務員になりやすい高卒区分で目指す」
といった方はぜひとも高卒区分の採用試験にチャレンジしてみてはどうでしょうか。
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