公務員は毎年3月末に人事異動が発表され、4月から新しい人員配置で働くことになります。
当たり前の話ですが、公務員は自分で部署を選べません。
なので、当たり人事もあれば当然外れ人事もあるわけですが、そもそも公務員の人事ってどうやって決めているか知りたいですよね?
本文では、
公務員の人事はどうやって決めているの?
について解説しています。
仕事で失敗した次の年は外れ人事だった・・・とかだと分かりやすいですが、実は公務員の人事異動は様々な思惑や条件を背景に決められています。
それでは、公務員の人事の裏側を見ていきましょう。
もくじ
そもそも人事は誰が決めているの?
ご存知かもですが、公務員の人事異動は総務局(部)の人事課が行なっています。
教員だけは少し特殊で、総務局ではなく教職委員会の人事が行います。
ここでは主に市役所で働く公務員の人事について解説していきます。
若手の人事異動について
若い職員の場合、その人の特性を見て人事異動を組み立てています。
たとえば、「仕事がデキる」だったり「将来有望」な人には、あえて激務の部署で経験を積ませるのが公務員あるあるです。
そこで挫折せずに頑張り抜ける人がいわゆる「出世コース」に乗ることが出来るといった訳ですね。
また、出世コースに乗るには激務に挫折しないことも重要ですが、主に見られているのは「上司に従順かどうか」です。
いくら優秀だったとしても、既存のやり方を変えようとしたり、上司に噛み付くような人材は今後上に立つには不向きなのは言うまでもありません。
人事評価は誰がしているの?
仕事がデキるかとか、上司への対応などを誰が見て評価しているかというと、答えは課長補佐級の役職の人です。
課長クラスになるともっと広くを見ていないといけないので、出世したくて媚びを売るなら、課長補佐あたりの役職の人がいいですね。
ちなみに課長補佐には「こいつは残せ、こいつは異動させたい」といった発言権があります。
もちろん100%要望が通るわけではないですが、「こいつだけは絶対に残せ」という希望はほぼ通っているようです。
異動の要望は通るの?
自治体によっては希望を出せる所もあるようですが・・・ぶっちゃけ希望通りにならないと思っていた方がいいです。
私が働く自治体では職員が多いので、希望を出すといった制度すらありませんね。
パワハラにあったとか、完全にキャパオーバーだから異動させて欲しいといった理由があるなら個別に希望を出せますが、通常はただ運に任せるだけですね。
ちなみに、公務員は人事異動を断れるの?という質問に対して答えると「Yes」なのですが、それについては以下の記事で解説しています。
公務員の人事異動の決め方
公務員の人事異動は、ある一定のルールの下で行われています。
というのも、政令指定都市クラスの自治体となると、何も指標がなければ職員の数が多すぎて時間がいくらあっても足りません。
なので、人事異動では「職員のスペック」が定義されていて、それを参考に人事を組んでいます。
それでは、公務員の人事異動の決め方を順番に見ていきましょう。
指名による引き抜き
別の部署から優秀な職員を指名で一本釣りする方法。
主に部長クラスの役職の人が、ほかの部署で優秀だと評判の職員を有無を言わせずに引き抜くパターンですが・・・
これはあまり無いケースですね。
そもそも部長クラスだと自分の所はおろか、他の部署の職員のことまでいちいち把握していないので、わざわざヘッドハンティングするような真似はしません。
ただ、プライベートで親交があったり、飲みの席での確約などがあるケースもありますので、引き抜きが全くない訳ではありません。
玉突き人事
A→B→C→D→Eといったように、誰かが動いたら連鎖的に異動するパターン。
ぶっちゃけ公務員の人事異動はこれが最も多いですね。
たとえば新人が配置されやすい部署というのが必ずありまして、新しい新人が入ってきた場合、前年度の新人(2年目の職員)が雑用などの教育係になります。
この場合、3年目の職員が異動に合うパターンが多く、それによって動かしやすい、いわゆる「便利屋枠」の人が玉突きでどんどん異動の連鎖が起きます。
異動における便利屋とは?
仕事も対人関係も無難にこなせる人のこと。
与えられた仕事はしっかりとこなし、誰とも揉めることなく、かといって出世コースに乗るほど優秀でもない。
そんな「無味無臭な人」 は人事サイドからすると異動させやすいので、比較的早いスパン(2~3年)で動くことが多いです。
そして異動先も多岐にわたります。
交換トレード
◯○という部署で働くAさんと△△の部署で働くBさんを入れ替え、同じ仕事をさせるパターン。
この場合、職歴や年齢、役職など似たような者同士をトレードするケースがほとんどで、主に中堅職員がこの枠に属します。
同じくらいのスキルの者同士を異動させるため、部署内ではさほど変化は起きず、ある意味一番平和な人事ですね。
ちなみに、これは余談ですが、教職員の人事異動ではこの交換トレードは行われません。
理由は「前任者との比較を嫌うから」でして、なぜか教職委員会の人事は、この交換トレードによる人事異動を行わないんです。
教職員の人事は下記で紹介する「バーター」のケースが最も多いですね。
バーター
まずはじめにバーターという言葉をご存知ですか?
芸能界でよく使われる言葉でして、たとえば有名な俳優が出演する代わりに、同じ事務所の若手を抱き合わせて出演させるといった手法のことです。
分かりやすいところだと、ジャニーズ事務所のタレントが主演のドラマでは、必ずといっていいほど若手やジュニアの子が出演していますよね?
あれがバーターでして、実は公務員の人事異動でもバーターは行われているんです。
Aさんという優秀な職員と抱き合わせることで、Bさんというデキない職員を引き取ってもらうという人事。
当然受け入れる側も優秀な職員とデキない職員を出すので、結果としては2対2の交換トレードという形になります。
また、あまりに評判が悪い職員はバーターですらも引き取り手がないため、同じ部署に5年以上いることも。
このバーターすら成立しない評判の悪い職員が異動するには、ごっそりと大きな人事異動がある時か、引き受け先へ説得が出来た場合か、どさくさ紛れで送り込むパターンのどれかですね。
ちなみに、引き取り手のない職員の主な特徴は「同僚とすぐに揉める人」でして、仕事がデキないだけで同じ部署に塩漬けはあまりないですね。
出世コース人事
いわゆるエリートコースでして、出世コースに乗っている人が引かれたレールに沿って異動していくパターン。
この人事は行き先がある程度決まっているので、移動先が分かりやすいですね。
ちなみに、一般的に出世コースに乗っている公務員が配属される部署は以下の通りです。
- 総務局
- 企画局
- 人事
- 教育委員会
出世コースに乗っている人は、だいたい上記の部署を順番に渡り歩いていますね。
ちなみに、公務員で最も出世する人が行く部署は「総務課」でして、その理由は以下の記事で解説していますので合わせて読んでみてくださいね。
さいごに
このように、公務員の人事異動には様々なルールがあるのですが、職員の要望が通ることはほぼありません。
つまり、どのタイミングで、どこの部署に異動させられるかは完全な運ゲーでして、たまたま当たり人事だったらラッキー、外れ人事だったら最悪・・・というわけです。
しかし、外れ人事だっとはいえ仕事を辞める訳にもいかないので、とりあえず1年我慢するしかないんですよね。
当たり前ですが、希望通りの人事もあれば、納得のいかない人事異動もあります。
納得いく形の人事に繋がるかどうかは、「あなたの職場での評価次第」という一面もあります。
確かに自分の評価というのは公務員の場合、把握しにくいものです。
しかし、基本的なあなたのスペックから「あなたの価値」を算出することは可能です。
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