下水処理場勤務ってどうなんだろう。
給与事情はもちろん、仕事に就くメリットやデメリットについて知りたい。
それと、どんな仕事内容なのか、色々なことを教えてほしい。
このような疑問にお答えします。
本文では、
- 下水処理場勤務の実態を解説
- 下水業務員になりたいあなたに覚えておいて欲しいこと
- これからの時代における下水処理場勤務について
- ホワイトな職場を見つけるコツ
について解説しています。
当記事では、実際に下水処理場に勤務している技能労務職の方の意見を元に解説しています。
下水業務員をはじめとした技能労務職は決して悪い仕事ではないけど、公務員の仕事の中で底辺だと思われているのも事実。
あなたが「こんなはずじゃなかった・・・」とならないよう、細かいことまで正直に書いていきます。
それでは最後までお付き合いください。
もくじ
下水処理場勤務の実態を解説
技能労務職ってラクなイメージがありますよね。
- 単純作業だけしていれば良さそう
- 誰でもできそうな仕事
- 毎日残業が無さそう
あなたも上記のように思っていませんか?
真実は、半分正解で半分不正解です。
技能労務職は「どこの自治体で働くか」「自治体に職場環境を改善する意識があるか」の2点で働きやすさが圧倒的に変わります。
働きにくい自治体を選ぶと、あとで必ず後悔することになりますので注意が必要です。
実際下水処理場で働いている方の声を元に、各種疑問にお答えしていきます。
①:仕事内容
下水道局(部)の技能労務職として働くには、以下が仕事内容になります。
- 下水処理場で維持管理
- ポンプ場でポンプ運転
下水処理場で維持管理
- 流れてくる生活排水(汚水)を処理
- 機械の保守、点検
- 簡単な事務作業
上記が下水処理場の主な仕事です。
下水処理場は24時間、生活排水を処理していますので行程を止めるわけにはいきません。
しかし油や燃料といった「流してはいけないもの」を流された場合、工程を止めなければならない場面もあります。
判断力や報告、連絡、相談が求められる現場なので、心身ともに疲労する場面もあります。
ポンプ場でポンプ運転
- ポンプ場に流れてきた汚水を下水処理場へポンプで送る
- 雨水を河川にポンプで放流
- 機械の保守、点検
雨が降った場合、街が浸水しないためにポンプを運転しなければなりません。
ポンプ運転員には各種タスク管理能力が求められます。
また、ほぼポンプ場内で働くため外に出ることはほとんどありません。
②:メリットとデメリット
下水処理場とポンプ場は閉鎖された空間です。
それがメリットでもあり、デメリットでもあります。
- 勤務時間がハッキリしている
- 一度仕事を覚えたら後は同じことの繰り返し
- 決まった人とのみコミュニケーションを取ればいい
技能労務職は「公務員の中でも底辺」と思われていますが、それは仕事内容の簡単さゆえです。
技能労務職とはいえ公務員なので身分の保証がありますし、転勤がないため安定した生活を送れます。
部署によって毎日残業しないといけない行政職に比べてアフターファイブの時間的余裕は圧倒的にあるので、自分の時間を大切にしたい人にとっては最高の仕事になると思います。
一方、デメリットですが、
- 人間関係が変わらないため、関係が悪化しやすい
- 変わりばえしない仕事を続けるのがキツイ
- 管理職にならないと50歳になっても現場仕事
下水処理場勤務は人間関係がラクだと思われていますが・・・
実際は閉鎖された空間なので逃げ場がなく、日光を浴びれないので「どんよりした雰囲気」になりがち。
また、毎日同じ人としか絡みがないので、人間関係で苦しむケースが多いでしょう。
仕事内容はシンプルなので、行政職に比べて圧倒的に楽です。
しかし、基本的に現場仕事なので、行政職に比べれば体力的にはキツイです。
交代勤務・夜勤がある勤務形態だと、翌日に疲れが残るようになります。
そして、出世して管理職(課長補佐以上の役職)にならないと定年まで現場仕事になります。
③:残業時間・給与について
どこの自治体で働くかによって変わります。
ただ1つ言いたいのは「基本的に残業は無い」ということ。
- 若い間は行政職と給料はほぼ一緒
- ボーナスも行政職と一緒(年間4.5ヶ月)
- 年間休日120日以上
- 残業はほぼ無し
上記の感じです。
控えめにいってホワイトな仕事ですよね。
大規模な自治体なら技能労務職でも役職のポストはたくさんありますので、課長補佐クラスまで上り詰めたら年収1,000万円も夢ではありません。
下水業務員になりたいあなたに覚えておいて欲しいこと
下水処理場勤めは向き不向きがあります。
行政職でバリバリ働くのが向いていなくて、下水処理場勤務が快適なケースはよくあります。
これから下水業務員になりたいとお考えなら、以下の点を覚えておくと良いと思います。
- 資格は必要ない
- 学歴ではなく実力主義
- ブラックな職場は即日辞めるべき
- 未経験でも問題ない
①:資格は必要ない
技能労務職だけではなく、公務員全般として資格は必要ありません。
下水業務員にとって「この資格を持った人が職場にいることはメリット」なんてことはありません。
資格を持っている人しかできない仕事なんてものはないので、資格取得が出世に繋がることはありません。
最低限、普通自動車免許さえ持っていれば問題ないでしょう。
②:学歴ではなく実力主義
下水処理場は仕事ができる人が重宝されます。
たとえ高学歴でも現場仕事で役に立たないなら使いものになりません。
というのも、維持点検業務は手先の器用さがモノを言います。
機械から普段と違う音がしているとか、故障箇所はここだと思う感覚の鋭さみたいなものが求められており、勉強が出来るできないはあまり重要な要素ではありません。
下水業務員も大卒がほとんど
何十年も昔は「技能労務職=中卒」でしたが、下水業務員といえども大卒がほとんどです。
また、どうしても現場作業が肌に合わない場合は、行政職に任用代えしてもらうことも可能です。
③:ブラックな職場は即日辞めるべき
技能労務職はホワイト、ブラックが極端です。
以下のような下水処理場は1日でも早く辞めましょう。
なぜなら、我慢しても状況が改善する可能性は圧倒的に低いためです。
- 残業してもサービス残業にしかならない
- そもそも残業が多い
- 職場環境が劣悪
- 年収が低い(300万円以下)
こればっかりは採用されて働いてみないと分からないことが多いですが、基本的には規模の大きな自治体に入れば上記のリスクを減らすことが出来ます。
④:未経験でも問題ない
未経験でも仕事がほぼ全て「マニュアル化」されているので、誰でも困らない環境になっています。
なので、「仕事について行けなかったらどうしよう・・・」みたいな心配は全く必要ありません。
また、下水業務員のほとんどは社会人からの「転職組」ですので、社会人から公務員へ転職希望の方は記事の後半で紹介する「社会人のための公務員転職ハンドブック」を読んでおきましょう。
▶︎社会人から公務員へ転職したい方は必ず読んでおきましょう
これからの時代における下水処理場勤務について
定年まで下水処理場で働こうと思った場合、以下の2点が問題となります。
- 民営化される
- 自動化、AIによる人員削減
財政に余裕のある自治体は、自動化などの設備投資を行うことで人員削減をします。
ということは新規採用を絞るため、より試験に合格するのが難しくなります。
一方、小さな自治体では自動化にお金をかけれないので、民営化しようとします。
今までのように「技能労務職は単純作業をするだけで楽チン」と思っていると、民営化されて痛い目を可能性も・・・ゼロではありません。
ホワイトな職場を見つけるコツ
働きやすいホワイトな職場を見抜くことができれば、定年まで気楽に働くことができます。
ホワイトな自治体だと、職員の体調管理や職場環境を改善する意識があるので、体力に自信がない人でも十分働けます。
ちなみに、働きやすい職場を見抜くコツは以下の2点です。
- 施設の環境、設備、清潔感を確認する
- 仕事のキツさと、定時に帰れるかどうかを確認する
①:施設の環境、設備、清潔感を確認する
- 下水処理場施設内は清潔にされているか
- 古い機械を使っていないか
- 職員の服装は綺麗か
古い機械をいつまでも使っている=新しい機械を導入できないほど、自治体にお金がないということ。
自治体にお金がないと、いつか民営化される恐れがあります。
また、職場環境が整っているだけでも職員は活き活きと働けます。
イライラすることも少なくなるので、職場の人間関係も悪化しにくいですよね。
また、職場の汚さと事故の発生率は比例します。
汚い職場で働くのはシンプルにストレスですし、事故が起こると大変なことになります。
なので、職場が綺麗かどうかは良い職場かどうかを判断する大切な指標になります。
②:仕事のキツさと、定時に帰れるかどうかを確認する
技能労務職は事務仕事ではないので、大なり小なり体を使う仕事です。
ですが、あまりにも過酷な肉体労働を強いる職場はホワイトとは言えませんので、キツすぎる職場なら逃げ出す準備を始めた方がいいかもしれません。
また、定時で帰れる職場は人員が足りています。
技能労務職の仕事も労働力さえ確保できていれば、仕事がそれだけ楽になります。
人手が足りていると有給も取得しやすいし、定時に帰れるなら先ほどお話した副業をすることも可能です。
一方、残業が頻繁にある職場は労働力が足りていないので、無理をして怪我もしやすくなるし、有給も取りにくくなります。
まとめ
- 下水処理場の仕事のキツさは自治体によって変わる
- メリット:残業がない、単純な労働
- デメリット:人間関係が悪化しやすい、閉鎖的
- 下水業務員は学歴、資格はアドバンテージにならない
- 民営化と自動化による人員削減が課題
- 良い職場の目安は清潔さ、仕事のキツさ、定時に帰れるか
下水処理場やポンプ場で働く下水業務員に求められるスキルは、コツコツと同じ作業を繰り返す真面目さと、最低限のコミュニケーション能力です。
管理職になりたいのであれば出世も考えつつ、体力を消耗しないように働き続けることが重要です。
それでは今回は以上になります。
記事の最後になりましたが、これから下水業務員の採用試験を受ける方のために技能労務職の試験問題を紹介しておきます。
技能労務職になりたい人必見!実際の試験で出題された問題はこれ!
最後に、『技能労務職の試験問題が知りたいあなたへ!実際に技能労務職の試験で出題された過去問はこれだ!【157問掲載】』についてご紹介させてください。
技能労務職の試験問題が知りたいあなたへ!実際に技能労務職の試験で出題された過去問はこれだ!【157問掲載】は、実際に出題された「ガチの問題」を集めた、技能労務職になりたいすべての方のために公務員試験を知り尽くした私がまとめたnoteです。
これはあまり知られていませんが、問題の傾向は毎年似ていますのでなるべく過去問に触れておくことが合格へのコツだったりします。あまり出回らない「技能労務職の試験問題」ですので、有益な情報を手に入れることが出来ます!
なぜオススメするかと言うと、ここで掲載している問題を知れば、「技能労務職の採用試験の対策方法が圧倒的に分かるから」です。
本気じゃない人には勧めませんが、技能労務職の試験に絶対合格したい人や現在の仕事にウンザリして公務員に転職したい人には絶対に読んでもらいたい内容になっています!
しつこいかもですが合格したいなら絶対に読んでおくべきでして、「問題を知らなかったばっかりに公務員試験に落ちた・・・」という苦い経験をあなたにしてほしくないのでぜひ手に取って欲しいと思います。
ただ1つだけ注意点があるのですが、それは「絶対に合格したい人向け」ということ。
リーズナブルとはいえ有料ですので、真剣な人にだけ読んでほしいと思っています。
絶対に合格したい!周りに負けたくない!という方は、ぜひ自己投資として以下の記事を読んでみませんか?
合格したい人や、試験の難易度や傾向を知りたいならオススメ!
本気で公務員になりたい人向けのボリュームになっているのでぜひ!
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