公務員を目指す人にとって、「安定している」「リストラがない」といったメリットは魅力の1つだと思います。
しかし、これまで公務員になった人は当たり前のように定年まで勤め上げるものでしたが・・・
最近では公務員を辞めて転職することも、珍しいことではなくなりました。
現在は大手企業や公務員になることよりも、企業したり、もっと自由な雇用体系のもとで働きたい人が増えてきています。
それだけ雇用環境が徐々にですが、変わってきて来ているということかもしれません。
では、就職先として公務員を選ぶのは、良いことなのでしょうか?
本文では、
- 公務員として働くことのメリット
- これから公務員を目指す人が考えておきたいこと
について解説しています。
この記事を書いている私は公務員歴15年以上の中堅職員です。
現役公務員の視点から、メリットや考えておくべきことをお話しますので、わりと参考になると思います。
公務員として働くことのメリット
終身雇用とか、年功序列とか、説明しなくてもだいたい想像つくかもですが、公務員として働くことのメリットは以下の通りです。
- 給料が高い
- 社会的な身分の保証がある
- 貴重な仕事ができる
- 多くの職員がいる
①:給料が高い
まず、一番のメリットは給料が高いことですね。
公務員は毎年7,000円くらい昇給していき、役職(級)が上がるときは2万円ほど月額基本給が上がります。
当たり前の話ですが、上の役職に行けば行くほど、もらえる給料は増えていきます。
サラリーマンの平均年収は500万円台ですが、地方公務員の平均年収は686万円というデータがあります。
そして、課長補佐クラスになると、年収が夢の1,000万円に届く自治体もあるんです。
私の働く市役所では、課長補佐の役職になると年収が1,000万円に届きます。
また、公務員の方が退職金や年金、福利厚生など、給料以外で利益となる制度も充実しています。
ちなみに、公務員の給料がいつ1,000万円に届くかについての詳しい話は、以下の記事で解説しています。
公務員の給料は少ないという話も聞くけど・・・
公務員の給料は少ないという話を聞いたこともあるかもですが・・・正しくは「若い世代の給料が少ない」ですね。
先ほども触れましたが、公務員は年功序列なので、頑張れば若いうちから出世して給料が上がるといったことはまずありません。
そのため、若い間は給料が少ないのは事実ですが・・・10年ほど我慢すれば給料は上がってきます。
若い世代の給料事情については以下の記事で詳しく解説していますので、合わせて読んでみてくださいね。
②:社会的な身分の保証がある
公務員として働く2つ目のメリットは、社会的な身分の保証ではないでしょうか。
日本ではどこの大学を出たかという学歴と、どこに勤めているかによってその人の人格全てを評価される傾向が強いですよね。
あなたが公務員だと分かった場合の、相手のリアクションは以下の通り。
- 公務員だなんて立派ですね
- 収入がいいんだろうなぁ
- 優秀なんだろうなぁ
露骨にそんな発言はしないでしょうが、心の中で思われているのは間違いありません。
社会的な身分の保証がある公務員であれば、それだけで信頼されることがあるのです。
③:貴重な仕事ができる
部署によっては大きな予算を扱ったり、高額な仕事の発注をすることになります。
ということは、公務員は民間企業に仕事を発注する立場であるため、民間企業よりも力関係が上になることも・・・ぶっちゃけありますね。
一見、国民の血税で食べさせてもらっているので力関係は下と考えられがちですが、実際は業者からペコペコされることが多いです。
また、市政を動かすというような民間企業では経験できない仕事も経験できるため、社会人として貴重な体験をすることができます。
④:多くの職員がいる
政令指定都市のような大きな自治体で働くと、たくさんの人と知り合い、一緒に仕事をする機会も多くなります。
優秀な人からそうじゃない人まで様々な同僚との出会いは、人生経験を積む上で刺激的、そして自分の視野を広げてくれます。
また、「職員の数が多い=人事異動が活発」でして、たとえばどうしても合わない人や嫌いな人がいても、我慢すればいつかどちらかが異動になり、顔を合わせないでよくなります。
逆に中小企業とかだと同じメンバーとずっと働かないといけないので・・・揉めた場合、苦痛でしかないですよね。
ちなみに、ここまで公務員になることのメリットばかり紹介してきましたが、実は公務員になるデメリットが1つだけあります。
それについては以下の記事で解説していますので合わせて読んでみてくださいね。
これから公務員を目指す人が考えておきたいこと
「安定している」とか「終身雇用である」といったような、世間一般的によく聞く「公務員のメリット」以外のメリットについて紹介しました。
公務員は人気職業であり、公務員として働くのは良いことだとされていますが、自分にとって良いかどうかはしっかりと考えるべきだと思います。
ちなみに、これから公務員を目指す人が考えておくべきことは以下の通りです。
- その他大勢になる
- 自分の価値観に合うかどうか
- 公務員になるのは狭き門である
①:その他大勢になる
公務員と民間企業の仕事の最大の違いは、「組織に貢献できているかどうか」の差だと思います。
たとえば民間企業で営業マンとして働いている場合、契約を取りまくって成績優秀だと「自分は社内のエースだ!」と自負することができると思います。
また、仕事の自由度も比較的高く、専門性も高いので、いわゆる「手に職をつける」要素も強いのかなと。
一方、公務員の仕事は担当する業務内容は広く浅くなので、ぶっちゃけ専門性や手に職みたいな感覚は薄いですね。
また、仕事のやり方はしっかりと決まっており、そこにオリジナリティなどは必要ないので、オレ流でやりたい人や合理主義な人にとってはかなり窮屈であり苦痛だと思います。
それと、公務員はだいたい3年ごとに人事異動があります。
毎回ジャンルの違う部署になる可能性が高いため、異動の度に仕事をイチから覚えることになり、いつまでたってもスペシャリストにはなれません。
このように、公務員として働くことは「その他大勢になること」でもあるため、個を重要視する人はあまり向いていないかもしれません。
②:自分の価値観に合うかどうか
公務員として働くときにまず考えなくてはいけないのは、自分の価値観に合うかどうかです。
先ほども言いましたが、公務員になることはその他大勢になることでして、「こんな仕事がしたい」とか「もっと自分の仕事ぶりを評価して欲しい」とかであれば、民間企業の方がいいかもです。
「定年まで年功序列で働きたい」とか、「利益を求めずにマイペースで働けたら仕事はなんでもいい」という志望動機でなければ、公務員にこだわり過ぎるのは考えもの。
公務員を目指す際は、自分の仕事に対する価値観がどうであるかを第一に考えるべきだと思います。
③:公務員になるのは狭き門である
受験年齢がどんどん引き上げられたり、社会人経験者枠の試験が行われたりと、公務員を目指す門戸は開かれたとは言え、まだまだ狭き門です。
そもそもの採用人数が少ないところに受験者が殺到するため、だいたいどの自治体も倍率は10倍を超えます。
なので、一次試験の筆記を合格するだけでも大変なんです。
ちなみに、宝塚市が氷河期世代を採用すると発表したところ、受験者が殺到したという話について以下の記事で解説していますので、合わせて読んでみてくださいね。
まとめ
- 給料が高い
- 社会的な身分の保証がある
- 貴重な仕事ができる
- 多くの職員がいる
公務員として働くことのメリットについてまとめてみました。
そして、これから公務員を目指す人が考えておきたいことは以下の通り。
- その他大勢になる
- 自分の価値観に合うかどうか
- 公務員になるのは狭き門である
公務員と民間企業、一般的には公務員の方が安定していますし、色んな面で有利であることは間違いありません。
しかし、安定ばかり重視して自分の価値観をないがしろにするのはNGですね。
年功序列や終身雇用だけで決めずに、あなたの仕事に対する価値観を優先して仕事を決めるようにしてくださいね。
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