「公務員なんて民営化すればいい」みたいな話をよく聞くけど、これは間違っています。
一見民営化したり外部に委託したら安く済みそうだけど、基本的にコストは変わりません。
むしろ管理の杜撰(ずさん)さや、市民サービスの劣化という観点で言うと、公務員の仕事は公務員に任せておくべきだと思います。
というわけで、
本文では、
「公務員なんて民営化すればいい」は勘違い
について解説しています。
「公務員なんて民営化すればいい」という考えについて疑問を持っている方は、ぜひ本記事を読んで公務員サイドの意見に触れてみてください。
そうすれば「公務員の民営化=勘違い」ということが分かっていただけると思います。
「公務員なんて民営化すればいい」という人の勘違い
まず第一に「民営化したからといってコスト削減にはなりません」ということ。
民間に任してもコストは変わらない
「公務員直営でやってたよりも◯%費用を削減できた」みたいな話ばかり目立ちますが、 ・・・事実はそうじゃないことも多いんです。
たとえば浄水場とかの話だと、直営でやっていた時は1つの施設を5人で運営していたのを、民間委託した途端、「10人で5つの施設を管理する」といったことはよくあります。
それもそのはず、それくらいやらないと儲けが出ないからです。
そもそも民間委託の場合、格安で請け負っているので、直営と同様のクオリティで運営するのは不可能ですね。
そういった事実を知らないので「民営化や外部委託か正義」と思われがちですが、結局は後で杜撰(ずさん)な管理のしわ寄せが来るので・・・
トータルコストは直営でも外部委託でも変わらないですね。
ちなみに余談ですが、水道なんかは外資系の会社が入札でどんどん自治体の仕事を取ってます。
別に外資系の会社をディスる訳じゃないですが、外貨を獲得されてると思うと・・・色々と高くつきますよ、という話です。
とはいえ、これは入札制度のルールの上で行われているため、仕方なしですね。
じゃあ全て公務員に任せる方がいいのか?
ここまでの話だと、「民間に任せると管理が酷いので、公務員の仕事は全て公務員にやらすべき」となりがちですが・・・
あながちそうでもないのが難しいところなんです。
直営だと効率が悪い仕事もあり、そして民間委託すると世の中に仕事を生んでいるので、それはそれで意味はあるのかなと。
ぶっちゃけケースバイケースな面が多いですね。
民間委託した場合の弊害
民間委託した場合の弊害を考えてみましょう。
- 窓口業務→個人情報が漏洩する恐れあり
- 清掃業務(ゴミ収集)→祝日の収集をしてくれなくなる
- 上水→水道料金の値上げが起こる
- その他様々な部署→癒着や横領などが増える恐れあり
上記の感じで、民間委託すると市民サービスが劣化したり、一般市民に不利益があることも今よりも圧倒的に増えてくると思いますね。
民営化する必要がない仕事とは
何でもかんでも民営化する必要はなくて、民営化不要な仕事は次の通りです。
民営化が不要な仕事
- 市役所の大半の仕事
- 市民のライフラインに関わる仕事
たとえばバスレーンを監視するような仕事は、年収1,000万円ほども払う必要もなく、民間委託してもいいかなと思います。
ただし、上記の仕事は公務員が直営でやるべきですね。
先ほども触れましたが、個人情報が流出する恐れのある仕事は全て公務員がやるべきで、現状の「非正規職員に任せる」といった状況もどうなのかなと・・・。
そして、上・下水道あたりも民営化している自治体が多いですが・・・
トータルコストは変わらないので民営化する意味が正直ないですね。
公務員の仕事は民営化するべきではない
これは断言しますが、民営化するよりも直営でやるべきだと思います。
世間の嫉妬や、やっかみから公務員の民営化は叫ばれていますが・・・
自然災害があった場合、何よりも優先して働いてくれているのは公務員です。
民間委託したら、有事の際に仕事なんて二の次でみんな自分のことを優先するはずです。
実は働かないと思われがちな公務員ですが、それは昔のイメージで、今は大企業に負けないくらい優秀な人材がどの自治体も入庁しています。
なお、国益を損ないたくないなら民間委託なんてするべきではないですね。
世間はどうしても「公務員=税金泥棒」みたいな認識ですが、仮に公務員の仕事の大半を民営化したところで公務員バッシングしてる層の生活は変わりないですね。
ちなみに、公務員叩きをしている人はなぜバッシングを続けているのかについては、以下の記事で解説していますので合わせて読んでみてください。
民営化の波に飲み込まれたくないなら
- 民営化
- AIの導入
上記のように、公務員の仕事を脅かす「敵」はこれからも増えていくでしょう。
とはいえ、日々しっかりと働いて、自分自身の価値を上げていれば、特別不安はないかなと思います。
「自分自身の価値を上げる」と聞いてピンと来ない方も多いかもですが、要するに「民間企業でもやっていけるくらいの価値があるかどうか」です。
自分自身の価値を図る方法
具体的な方法は上記の記事に書いています。
今のあなたの経歴やスキルから、年収で換算するとどれくらいの価値があるかを測定することができます。
ドラゴンボールの戦闘力を図るような感じで面白いので、無料ですし、ぜひやってみましょう。
というわけで今回は以上です。
公務員の定年が65歳になるのは時間の問題で、我々が定年を迎える時には70歳、いや、75歳になっているかもしれません。
あまり先の話をしても仕方ないですが、どうせなら公務員としてマイペースで定年を迎えるまで働きたいですよね?
そのためには、民営化やAIに負けない自分で居続ける努力が必要です。
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