公務員になりたいけど、新卒と社会人からの転職組はどちらが合格しやすいんだろう。
もし転職組の方が有利なら、まずは民間企業に就職しようかなぁ。
既卒転職組と新卒、どちらが公務員試験に受かりやすいのか、本当のところを知りたい。
このような疑問にお答えします。
本文では、
- 既卒転職組と新卒、どちらが多く公務員に採用されているのか
- 既卒転職組と新卒のそれぞれの強みは何なのか
について解説しています。
公務員を目指してる人の中には新卒予定の学生から社会人まで様々な人がいますが、実際に公務員として働いている人の中で、新卒と転職組どちらが多いかご存知ですか?
結論から言いますと既卒転職組の方が多いです。
「じゃあ、公務員になるには一度民間企業に就職した方がいいの?」ですが、新卒・社会人経験者両方の強みの話を中心に詳しく解説していきます。
もくじ
採用者全体では転職組の方が多く採用されている
自治体にもよりますが、既卒転職組と新卒の数を比べると既卒転職組の方が多く採用されています。
これは転職組の方が有利というよりは分母の数の差ですね。
たとえば、転職組と新卒の受験者の比が5:1だった場合、どう考えても転職組の方が多く採用されますよね?
というわけで、社会人経験者の方が合格者が多いのは、有利というよりもシンプルに受験者が多いのが一番大きな要因です。
年々増え続ける社会人経験者枠
政令指定都市や都道府県庁といった大きな自治体の試験では、「社会人経験者枠」という試験区分があります。
通常の試験とは別に、採用人数は少ないですが社会人経験者を積極的に採用するという試験です。
10数年前までは雇用対策として行われてきましたが、最近では特別な知識や資格を持ったスペシャリストを採用しようとする自治体も増えてきています。
社会人経験者の受験年齢は昔は30歳がリミットでしたが、最近では35歳、もしくは40歳まで引き上げられている自治体も珍しくありません。
このように社会人経験者枠を設ける自治体も増えてきているので、公務員全体の転職組の割合は年々増加傾向にあります。
社会人経験者が有利な3つの理由
冒頭で、新卒と社会人経験者に有利・不利はそれほどの差はないと言いましたが、場合によっては社会人の方が有利に働くケースがあります。
その理由は次の通りです。
- 大人のマナーが身についている
- 人生の経験値が高い
- 学生とは覚悟が違う
①:大人のマナーが身についている
社会人経験者の強みはなんといっても「社会の荒波に揉まれて身に着けた社会人としてのマナー」ではないでしょうか。
民間企業に一度でも就職したということはリアルガチの面接試験を経験していますし、採用されたということは、ある一定の評価を受けた経験があるということになります。
当たり前の話ですが、公務員試験の面接は髪型や服装1つとっても色々と気をつけなければならないことがあります。
嘘のような本当の話ですが、学生は髪を明るく染めたままで面接に臨んだり、面接の場にふさわしい言葉使いが出来ていなかったります。
ご存じの通り、公務員試験は年々筆記試験よりも面接による人物重視の傾向が強くなっています。
面接試験で吟味されるには「あなたの人柄」です。
あなたが新卒予定の学生だろうと社会人経験者だろうと、「社会常識があるかどうか」は必ずチェックされますので、そういった点で社会人の方が新卒よりも有利ですね。
②:人生の経験値が高い
公務員試験の面接では身だしなみやマナーだけでなく、あなたの回答の内容も合否を左右します。
- この自治体を選んだ志望理由
- あなたの長所と短所
面接で必ず聞かれるのが上記2つの質問ですが、回答のコツは「これまでの人生経験を踏まえて答えること」で、そうすることであなたの回答に説得力をもたらすことが出来ます。
新卒予定の学生の多くはネットや面接のノウハウ本で得た知識で武装して面接に臨むため、みんなが似たような回答をしてしまいがち。
たとえば「部活やサークルでのリーダーシップ」という使い古された長所は、面接官からすると聞き飽きたフレーズなんです。
一方、社会人経験者はこれまでの人生経験を踏まえてエピソードを語ることが出来ます。
この人生の経験値の高さから、社会人経験者は新卒の方よりも有利に面接を運ぶことが出来ます。
③:学生とは覚悟が違う
若くてこれからがある学生とは違い、社会人経験者は後がない、いわゆる「お尻に火がついた状態」のため、鬼気迫る思いで勉強をしている人が多いです。
とくに公務員試験の勉強のために仕事を辞めた人の熱意は相当なもので、かくいう私も仕事をやめて公務員を目指すための猛勉強をしました。
- 試験に受からなかったら無職のニート
- いつまでもこの生活は続けてられない
上記のようなプレッシャーのため、社会人経験者の方が勉強によりコミットしている人が多いですね。
この「必死さ」というのは、「どうしてもこの自治体で働きたい!」という熱意として面接官に伝わるので、結果的に新卒よりも評価が高くなります。
新卒者が有利な3つの理由
やっぱり社会人経験者の方が有利なのか・・・と感じた人もいるかもですが、そうとも言い切れません。
というのも、新卒には新卒なりの強みがあるんです。
ちなみに、新卒者が有利な理由は以下の通りです。
- 若さ溢れるフレッシュ感
- 何色にも染まっていない純粋さ
- 社会人経験者と同じことが出来れば勝ったも当然
①:若さ溢れるフレッシュ感
公務員試験では「若いから」という理由だけで採用されることはあまりないですが、それでも若さというのはとても大きな武器になります。
面接官といえどもイチ公務員なわけですから、どうせ一緒に働くなら元気でハツラツとした初々しい人の方がいいのは間違いありません。
市民目線からしても、人生に疲れて覇気のない30代よりも、ハリツヤのある若い職員が対応してくれた方が気持ちいいものです。
なので、新卒の人は若さとアグレッシブさを面接で全面に押し出すことができれば、経験豊かな転職組にも決して負けません。
変に大人びた自分を演じるよりも、若くてガムシャラな飾り気のない自分を押し出した方がグッと合格の可能性は高くなりますよ。
②:何色にも染まっていない純粋さ
新卒のもう1つの強みは「まだ企業に属したことがない純白さ」です。
社会に出るとそれがたとえ短い期間であったとしても、その会社の暗黙のルールや常識を植えつけられます。
なので悪い言い方をすると、凝り固まった考え方をするようになったり合理的で生産性ばかりを追求する思考になります。
これって実は公務員の仕事のあり方とは正反対なんです。
公務員の仕事というのは、古くからの慣例に従って仕事をすることがほとんどです。
そして利益を追求するような業務はないため、あまり生産性や合理性が求められることはありません。
要するに合理性を求めたり向上心を出しすぎると、浮いてしまったり周りと上手くやっていけなかったりします。
一方、新卒の方はまだ染まっていない真っ白なキャンパスのようなものなので、公務員の世界にも馴染みやすい傾向にあります。
社会経験があるとついつい上司に意見したり、言うことを聞かなかったりする人が多いのも事実。
こういう「生意気なタイプになりそう」と思われると面接で落とされる可能性が高くなりますので、ぜひ面接では従順さをアピールして面接官に良い印象を与えましょう。
③:社会人経験者と同じことが出来れば勝ったも当然
先ほど社会人経験者は新卒よりもマナーがしっかりしていると言いましたが、学生の中にもマナーがキチンとしてる人ももちろんいます。
- 身だしなみやマナーは問題なし
- 志望動機も説得力のある回答ができている
- 自己分析もしっかり行えている
上記のように条件が全て一緒だった場合、社会人経験者と新卒はどちらが有利か分かりますか?
年齢以外本当に何もかも互角だった場合、有利なのは新卒です。
少なくとも私が面接官なり人事担当なら若い方を選びますが、理由は次の通りです。
若い人の方が伸びシロが多いから。
22歳の受験者が30歳の受験者と同じレベルだとしたら、間違いなく22歳の人が30歳になる頃にはもっと成長しているはず。
逆に言うと、30歳の人は人生経験が8年も長いのに22歳の学生と同じレベルだと・・・なんだか物足りなく感じますよね。
なので、新卒組は社会人経験者と同じレベルまで受け答えやマナーのレベルを上げることができれば、公務員試験は勝ったも同然です。
ちなみに、公務員試験の面接で最も重要なのは「自己分析が出来ているかどうか」でして、それについては以下の記事で解説していますので合わせて読んでみてくださいね。
さいごに
- 大人のマナーが身についている
- 人生の経験値が高い
- 学生とは覚悟が違う
社会人の方が有利な理由をまとめてみました。
一方、新卒の方が有利な理由は次の通りです。
- 若さ溢れるフレッシュ感
- 何色にも染まっていない純粋さ
- 社会人経験者と同じことが出来れば勝ったも当然
要するに新卒、社会人経験者どちらが有利ということではなく、本質は面接官に「熱意」と「人柄」を十分に伝えることが出来るかです。
じゃあ、どうやって熱意と人柄を伝えたらいいの?ですが、まずは最低限自分のことが分かっていないといけません。
というのも、面接で必ず聞かれる質問に「あなたの長所」がありますが、これは自分のことを詳細に把握しておかないとまずしっかりした回答が出来ません。
そのために合格者の多くは「ストレングスファインダー」と呼ばれる自己分析をするのですが・・・ストレングスファインダーは約2000円かかってしまいます。
お金に余裕がある方は上記で紹介したストレングスファインダーをしてもらうとして、なるべくお金をかけたくない人のために無料で出来る自己分析ツールを紹介します。
結論から言いますと、転職サイト大手のミイダスが提供する『パーソナリティ診断』でして、ミイダスに無料登録するだけで誰でもすぐに自己分析をすることが出来ます!
無料だから大したことないんでしょ?と思いがちですが、ぶっちゃけ公務員試験の面接に向けて自己分析するのならパーソナリティ診断で十分すぎます。
なので、
「試験本番で失敗したくない!」
「ほかの受験者よりも有利に試験に臨みたい!」という方はぜひこの機会にパーソナリティ診断をしてみませんか?
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